廃校をアートの力で再生するプロジェクト始動!グランピングやサウナも!(後編)
- 2023/4/6
- インタビュー
目次
この場所ならではの絶景付きサウナ体験
――本格フィンランドサウナ「CUBERU」は、素晴らしいと評判です。サウナに入りながら幻想的に作られた庭を眺められ他にはないリラックスを味わえるようですね。ミルクタンクや酒樽を再利用した水風呂やお風呂なども発想が面白いです。この施設内にサウナを展開しようと想われた理由を教えてください。
清水氏――「CUBERU」は、運営している㈱スカイリンクのクライアントが北海道で作っているコンクリートサウナです。
コンクリートの中にサウナが入っているものはいろいろあるんですが、このキューブ型サウナは、型枠を作ってコンクリートで製作したサウナ。
蓄熱性が高く、温度がしっかり上がった後は冷めにくいのが特徴です。
実際に見に行って気に入り、9.5t(!)もあるこのサウナをクレーン車で北海道から持ってきました。
おかげで配送と設置にとてもお金がかかりましたけどね(笑)
ミルクタンクの水風呂や酒樽のお風呂は、クリエイティブリユースとしてのテーマで作っていまして、単なる再利用ではなくアート要素を加えています。
私はサウナがすごく好きなので、お客様にもサウナ空間を満喫してもらいたいんです。
リラックスしながら面白味も感じていただければ嬉しいです。
――なるほど。とてもオシャレで個性的ですが、リユースで作られているのは驚きです!
アートのなかにもクリエイティブリユースの概念が使われています。
校庭にある大きなヒマワリのオブジェは、廃材を使ってアート表現をしたもの。
赤い部屋や波打っているアートなんかも、通常はごみとして棄てられる廃材を再利用したものです。
サウナエリアの塀として使用している木材も、通常、焼却処分するものを再利用させてもらいました。
新しいものと近隣のいいご縁でいただいた再利用できるものの両方を使って、アートでクリエイティブなことをやっていこうという施設なんです。
個性的サウナをバージョンアップ中
――清水さんは、さらにこのサウナの発展形として、コンテナサウナを開発中だと伺いました。どのようなものか教えてください。
清水氏――イベントに合わせて製作したのがコンテナサウナです。
トラックのコンテナを改装してサウナにしたもので、こちらはアルミ製です。
技術を持っている方にお手伝いいただいて私も製作に関わりました。
今後、サウナを設置したいとお考えの全国のいろいろな施設でも展開できるよう、今回の反省点を生かし次のバージョンのものを開発中です。
今のサウナにはスペック以上にエンターテインメント性も必要です。
次のバージョンでは、タオルを振って熱い風を送る熱波士が活躍できるような空間作りを考えています。
開発を共にする仲間内で、熱波士アイドルを輩出するのはどうだろう?などアイデアが膨らんでいます(笑)
そうやってサウナ業界を盛り上げていけたらいいですね。
リトリートにも最適な自然豊かな空間
――今、健康経営が課題になるなか、経営者の間でリトリート※1が話題ですね。清水さんのグランピングでは、経営者交流というテーマで展開できることはありますでしょうか?
清水氏――小学校の体育館などのハードウエアを使って、豊かな自然をそばに感じながら、リトリートの文脈で施設をゆっくり使っていただくのも良いと思います。
4月に貸し切り利用で、ピッチコンテスト※2企画のご相談もいただいています。
「大人がしっかり楽しめる」ハードウエアとしてのポテンシャルはありますので、いろいろなことが柔軟にできます。
カラオケやサウナ、焚火など、楽しめるコンテンツがたくさんあることが評価されているのでしょう。
※1. 日々の忙しい生活から離れた場所や環境で自分だけの時間を持ったり、リラックスしたりする癒しの方法のこと
※2.一般的にスタートアップの起業家が投資家などに対して、支援を目的として事業内容なサービス・技術をプレゼンすること
――断食道場も考えていらっしゃるとか?
清水氏――はい。閑散期の対応としてもいいと思っています。
簡単な運動からストイックなアクティビティまでハードウエアはありますから、ファスティング関連のコンテンツが展開できます。
体験農場で収穫した新鮮野菜で断食明けの身体を整えてもらうなど、ここならではのコンテンツを作っていけるのではと構想しています。
クリエイティブユースの牽引役を目指して
――今後の展望をお聞かせいただけますか。5年後10年後はどのようになっていると思われますか?
清水氏――那須ユートピアが一つのモデルケースになればいいと思っています。
それぞれの土地での思いを実現したり、地方の課題を解決したりする廃校を使ったプロジェクトが、全国で流行ってくれればうれしいですね。
今後は、ドローンの資格を取るための合宿を企画したり、ファスティング体験の場にしたりと、エンターテイメントとして体験ができるものを増やしていきたいと考えています。
クリエイティブユースがテーマではありますが、アートプロジェクトの一環としての全体イメージは今が完成形ではないので、今後もさらにアートをどう絡めていくかということを中心に変化させていきたい。
ミッションとしてのアートファースト、すべてにアートを絡ませることが付加価値となり、資産価値アップに繋がると考えています。
若手のアーティストで絡んでいきたいと思ってくださった方は、是非声をかけてほしいですね。
――これからの仕掛けも楽しみです。ありがとうございました!
本編の前編はこちらから