プラスチック・ブロックで思考を可視化!対話と戦略を深めチーム強化も(後編)

この記事を読むのにかかる時間: 4

世界中で増え続けるファシリテーター

――コミュニケーションを深めるほか、学力向上にも有効なのですね!ところで、ファシリテーターも養成しているのですか。

蓮沼氏――はい、養成講座を各地で開いています。
これまでの約15年間でファシリテーターの数は世界で2万人、日本では870人になりました。
世の中へのプレゼンスを確立し、インパクトを与えられるよう2,000人くらいまで増やすための取り組みを先頭で突っ走ってやっていきます。

2022年10月にはラスムセンさんが会長を務めるマスタートレーナー協会のワークショップがデンマークで開催され、世界中のファシリテーターが集まりました。
世界中の実践事例のプレゼンテーションやラスムセン氏の講義もあり、大変刺激的な場となりました。
ファシリテーターは、経験を積むほどにセルフコンフィデンスもクリエイティブコンフィデンスも高まります。
私はこれまで1,200回くらい実践しており、その中で自分も成長していると感じています。

2022年10月、世界中のLSPファシリテーターが集まって行われたワークショップの様子

「聞く」経験を広め、違いを認めあえる場作りに貢献

――10年後に向けて、どのような展開をお考えですか。

蓮沼氏――3つの方向性を考えています。
1つ目は、M&Aを実施したばかりの会社に対してビジョンやアクションプランの作成をお手伝いしたい。
2つ目は、教育の中でのリーダーシップやチームのコミュニケーション作りを手掛けていきたいです。
教育現場では伝えること、話すことは重視されてきましたが、聞くことやチームとして話をまとめることができていないからです。

日本で行われたファシリテーターのトレーニングで、組織の将来像をブロックで表現した場面。
4輪のタイヤは機動力を現し、左側に立てた“旗”は、進むべき道を示唆していると読み取ることができる

3つ目は、地域課題を解決するツールとしてLSPが活用されるよう、草の根で活躍するファシリテーターを多数育成し、住みやすい社会の実現に役立てればと考えています。
誰もが自分の意見を表明し、互いの違いを尊重し合える場が増えるように。
LSPを活用し、社会貢献していきたいと思っています。

――LSPが、会社組織、教育、地域社会のつながり作りにも活用されていくのですね!ますますのご活躍、とても楽しみにしています!

(写真はすべて蓮沼氏提供)

本編の前編はこちらから。

1 2

蓮沼孝
株式会社ロバート・ラスムセン・アンド・アソシエイツ 代表取締役社長

投稿者プロフィール
早稲田大学理工学部卒、米国ペンシルバニア大学ウォートン校大学院修了(MBA)。
三菱商事で国内・米国にて輸出入業務に従事後、グロービス経営大学院にて顧客開拓、論理思考や事業経営者養成のプログラム企画・開発、マレーシアの複合事業会社で事業統括に従事した経験を持つ。
九州・アジア経営塾にLEGO® SERIOUS PLAY®を使った経営幹部研修を導入。
デンマークでファシリテーター資格を取得し、企業や大学でのプログラム共同開発・実践を行っている。
共著:「戦略を形にする思考術 レゴ®シリアスプレイ®で組織はよみがえる」(徳間書店、2016)

この著者の最新の記事

関連記事

ピックアップ記事

  1. 「PR」と聞くと、企業がテレビやラジオなどのメディアで流すイメージCMや、商品やイベントなどを情報発…
  2. 決算は、株主、投資家、金融機関など、外部のステイクホルダーに会社の財政状態・経営成績を伝達する役割を…
  3. ブラウザで作れる履歴書・職務経歴書「Yagish」ヤギッシュで人気の(株)Yagishが、企業の採用…

編集部おすすめ記事

年別アーカイブ

ページ上部へ戻る