中小企業の活発なPRが経済を活性化、より良い社会へ!
- 2024/3/12
- インタビュー
「PR」と聞くと、企業がテレビやラジオなどのメディアで流すイメージCMや、商品やイベントなどを情報発信するプレスリリースの印象が強いかと思いますが、その活用者の多くは大企業であることにお気付きでしょうか。自身が持つPRのノウハウを中小企業や小規模事業主に伝えることが使命と考える合同会社MCピーアールの代表 乙坂章子氏は、PRは単なる宣伝ツールではなく、社会的意義を持つ活動を広める強力な手段だと語ります。PRとより良い社会の関連性やPRの意義について説いてくださいます。
目次
ドラマ出演にアイドル活動、リポーターを経験
Z-EN―― はじめに、乙坂さんのこれまでの経歴について伺いますが、お若い頃から華々しいキャリアだと聞いています。
乙坂章子氏(以下、乙坂氏)――そうですね。長い間メディアの現場でタレント活動をしてきました。
私は福井県の出身なんですが、父親がNHK福井放送局のラジオドラマ制作に関わっていたことから、中学生からドラマに出演していました。
そんなことで、芸能界は遠い存在ではなかったんですね。
大学在学中はちょうど女子大生ブームだったんですが、ブームをけん引していた深夜のテレビ番組「オールナイトフジ」の女子大生アイドル集団「オールナイターズ」としてタレント活動を開始しました。
卒業後は、日本テレビ「ザ・ワイド」のワイドショーリポーターとして、統一教会、オウム真理教、阪神淡路大震災等など当時のセンセーショナルな事件現場を体当たり取材したり、創世記のテレビ通販「SHOP CHANNEL」商品アドバイザーとして、番組で初めて1日1億円を達成したり。
そんな経験のなかで、メディアが何に関心を持ち、何を発信したいのか?という、メディアの視点みたいなものを理解していったんだと思います。
――なるほど。現場で培った経験が豊富でいらっしゃるのですね。PRの仕事とはその後どう繋がったのですか?
乙坂氏――もう、この業界に入ってから40年近くが経つのですが、その間、結婚・離婚を経験して、シングルマザーとして子どもを育てながら働かなきゃいけない!という局面に立たされるんですね。
そんなときに、ハローワークから紹介されて、未経験から足を踏み入れたのがPRの世界でした。
PRのことなんて最初は全然知らなかったんですけど、経験を積むうちに「業界経験があって、業界の視点を知っている自分に向いている!私がやらないで誰がやるんだ!」と面白味に加えて使命感も感じるようになり、合同会社MCピーアールを起業するに至ります。
――すごいですね!天職を見つけたんですね!
乙坂氏――でも、起業してみたら、恥ずかしながら会計士と税理士の違いも知らないくらい、私は世間の常識に疎かったのです。
その後、経営者コミュニティに参加するなどして経営についていろいろ勉強をし、同時にPRをどうやって世に広めていくか模索していくことになります。
中小企業の視野になかった「PR」
――PRとはそもそもどういったことを指すのか教えてください。
乙坂氏――PRは”Public Relation”の略語です。国際PR協会とアメリカPR協会の2つの団体が具体的な定義を定めているのですが、要約すると「組織と組織をとりまく公衆との間に良好な関係と利益を築く活動」ということになります。
PRと似た言葉に、「広告」や「プロモーション」がありますが、組織の意向で商品やサービスの宣伝を行う「広告」や、一方的な販売促進のための「プロモーション」とは、目的や意味合いが異なります。
PRは、PRを行う組織がその顧客と長期的で良好な信頼関係を築くことを目指しますので客観的な視点も大切になります。
メディアに出る=最強の口コミを作る
ーーPRに対する一般の理解についてはどう感じますか?
乙坂氏――経営者コミュニティに参加してPRについて話したとき、誰もPRが何かを知らなかったことに驚きました。
よく考えてみるとPRの経費は高額ですから、小規模事業主や中小企業には“関係がないもの”だったのです。
PR会社も大企業を相手に、何千万円、何億円の仕事をしていますから、高額経費を出せない小規模事業主は相手にしていなかったのですね。
――なるほど!それは発見ですね。乙坂さんはPRにどのように取り組んでいるのですか?
乙坂氏――はい。中小企業や小規模事業主の素晴らしい商品やサービスが、テレビや新聞雑誌、ウェブサイトなどのメディアに取材してもらえるように戦略を練り、実際にメディアに出る機会を創出しています。
メディア施策は最強の口コミを作り出す広報施策です!
私自身がメディアに出続けた経験のなかで培ったメディアの視点と、繋がった各メディアとのご縁を活かして、PRについて伝えることで、中小企業や小規模事業主を支援しようと考えました。
「私がPRを教えるべき」と自覚し、起業
――乙坂さんの人生が、まるでそれをするためにあったかのように聞こえます。
乙坂氏――確かにそう感じます。
というのも、起業から1年後にすごい体験をしたからです。
いろいろ悩んでいる時、あるスピリチュアルな方から、千葉県の九十九里浜に行きなさいと言われたんです。
すごい嵐の日で、海の上の空なんて何にも見えなくて、私は一人で嵐の海に向かって叫んだりしていました(笑)。
ひとしきり叫んで、せっかく来たのだからゆっくりしようと近くの安宿へ帰り、そのまま異常な眠気に襲われて寝てしまいました。
すると、夢の中で、白い龍がとぐろを巻くように嵐の空の上に浮かんでいたんですね!
――なんと!すごいものが見えてしまったのですね!
乙坂氏――その白龍は目をつむっていて、見た瞬間に「この龍は私だ!私は目を覚まさなくちゃいけない!」と思いました。
後に調べると、白龍は情報の神様だということでした!
そこで、自分がPRを教えるべきだと強く思ったんですね。
不思議なことにそれからすぐに、今ビジネスパートナーとしてタッグを組んでいる大切な2人と出会い、サークルを始めました。
――その驚異的な体験をしたのは、いつですか?
乙坂氏――2020年に起業し、翌年の2021年7月です。
その時に感じた使命感をすぐ形にしようと、2か月後の9月に「メディチャンPR広報研究室」を開校し、PRとは何か?、PRを行うと実際にどうなるのか?など、PRに関する様々な情報を教えるようになりました。
現在は正式にPR学習講座として開校し、小規模事業者のための学びを提供しています。
▶自身のキャリアと不思議な導きから、「自らやるべきこと」としてPRを意識するようになったという乙坂さん。後半では、PRを行ったことにより奇跡を起こしたある中小企業の実例のお話。そして、「宣伝ツール」というだけではない、「PRの社会的役割」という見過ごされがちな重要な視点を共有してくださいます。