スタートアップラボ vol.5~イノベーションを起こす新ビジネスモデルを支援!
- 2025/1/8
- 事業投資
目次
国内酒蔵をロールアップするブランドホールディングス
Local Local株式会社
焼酎のリブランディング
弊社は、日本国内、地域の眠れる資源をリブランディングし、国内外へ販売することで、国内の資源を継承し産業の活性化に貢献することを目指しております。
実際私たちが初めて第三者承継したのは、2019年、宮崎県⽇南市の焼酎専⾨酒販店です。
この第⼀号承継案件から⾒えてきたのが、酒蔵が抱える課題でした。
具体的には、焼酎はウイスキーと同じ蒸留酒ですので、焼酎蔵で熟成させた酒に付加価値をつけて販売したいといったニーズがあるのですが、普段販売してもらっている地元の酒屋さんの顧客は安い焼酎を求めているので、10年寝かせた10万円の酒をPRしても、売れない⾼価な商品をそもそも仕⼊れようとしない。
行き場を失った熟成焼酎が大量に蔵で眠っているけど、酒類は国税庁の管轄なので、勝手に捨てると脱税になる。
気づいたら30年、40年寝かせた焼酎がたくさん売れないで残っているという状況でした。
そこで弊社は、2023年5⽉より、全国の焼酎蔵に眠る販売予定のない⾼品質な貯蔵酒を買い取り、1本3万円~5万円の⾼単価で販売するブランド「HITOYO」をリリースしました。
2024年5月までの1年間は、ブランドの実績を積むために、レストランなどの飲食店を開拓し、現在約100店舗に置かせていただいております。
後継者問題を解決する事業承継
私たちのスキーム上、いろんな酒蔵に眠っている焼酎を探すために、一蔵ずつ訪ね歩いて調達することをしていますが、そんななか「ウチを継いでくれないか」といったご相談を受けることがあります。
共通点として、中小規模の酒蔵だという点です。
焼酎をメインで作っている酒蔵は全国に360蔵ほどあり、そのうちの売上げ上位50社が帝国データバンクで公表されています。
上位50番⽬の酒蔵の年商規模が5億円で、残り300の酒蔵は5億円未満の規模。
この上位50社で業界の売上の半数を占めていますので、残り約300蔵で市場の50%を分け合っている状況です。
この中⼩規模の焼酎蔵、約300蔵は、家族経営の酒蔵と、その地域でしか飲めない酒を造る地域密着酒蔵です。
その特徴としては、社長が杜氏と営業を兼務し1人で切り盛りしているので、社長が倒れたら立ちいかなくなること。
そして、地域の酒販店が売上の⼤部分を占めることです。
中⼩規模の酒蔵の課題を解決するスキーム
債務超過した酒蔵を子どもに継がせたくないという心理的ニーズと、酒販業・酒造業を営む会社に譲りたいというニーズがあるのですが、適切な事業承継先がない。
酒造業の新規免許が取れないことから、債務超過でも買い手はいるのですが、適正と考えられる相手先がいなく、マッチングが進まないのが現状です。
価格交渉権が地元酒販店にあり商品単価を上げることができない、直販、ECへの展開も酒販店との関係性上、実現難易度が⾼く限定的な販路のまま拡大できない。
単価の向上も販路拡⼤もできないため売上が上がらず、⼈員拡⼤もできず、営業⼈員は代表のみという慢性的な⼈材不⾜に陥っています。
さらに、原材料が病気にかかる等すると、⼤⼿メーカーが原材料を買い占め仕⼊が困難となるので、原材料調達が不安定なうえコストカットも難しい。
そこで我々は、HITOYO事業にて培ったアセットを活⽤し、このような複数の中小酒蔵をM&Aしグループ化していくことでHD化し、売上向上・コスト削減につなげ支援していこうと考えています。
各社営業やEC担当⼈材、販路などリソースやアセットを共有し原材料等の一括仕入れによってコストカットし売上規模を拡⼤します。
取り組みの特徴としましては、地方の酒蔵が独自に販路を開拓することが難しい、客単価6~7万円のレストランなどの⾼単価販売先を共有し、EC専⽤ブランドの開発により単価を向上させることに注力します。
また、我々は国内トップクラスのソムリエを集めたソムリエチームを商品開発部として結成し、全国から集められるサンプルのお酒を厳選し商品化しています。
しかも、商品化したものはソムリエさんのコミュニティを通じて高単価のお店に販路を開拓できるというメリットもあります。
酒蔵からの承継ニーズ
HITOYO事業にて120蔵ほどへの訪問をするうちに、酒蔵との関係性構築ができ、酒蔵の抱える課題を深く知ることとなりました。
業界全体として、中⼩規模の酒蔵が⾮常に多く、彼らを中⼼として事業承継課題が根強く存在しています。
弊社から事業承継のご提案等をしていないにもかかわらず、様々な地域の焼酎や⽇本酒等の中⼩規模の酒蔵から事業承継のご相談をダイレクトにいただいています。
今後、中⼩規模の酒蔵に、私たちの方から酒蔵のグループ化などの情報を発信していくことで、さらに直接相談いただく件数は増えていくのではないかと思っています。
また、HITOYOブランドの商品の海外展開として香港、アメリカというモデルの確立に注力していきたいと考えています。
ありがとうございました。
▶次は、サブスクのプラットフォーム事業を展開する株式会社プロズアンドシーオーです。