スタートアップラボ vol.5~イノベーションを起こす新ビジネスモデルを支援!
- 2025/1/8
- 事業投資
事業投資ラボの分科会である「スタートアップラボ」が開催するセミナーでは、注目のスタートアップ企業を支援しようとさまざまな業界の有志者が参加されています。11月は、独自の事業を展開し支援を募る5社がPRを行いました。未来を見据え社会課題を解決しようとする経営者たちの理念とその実現に向けた取り組みを聞く参加者の皆様も、高い関心を寄せられていました。
・物流をAI・ロボットなどトータルでサポート INSOL-HIGH株式会社
・新世代型LIVEコマースを開発する パロニム株式会社
・国内の資源を守るスキームの提供 Local Local株式会社
・サブスクのプラットフォーム事業を展開 株式会社プロズアンドシーオー
・勤怠管理やグループチャットができる新プラットフォーム 株式会社Yagish
目次
AIとロボットで最適化した”未来の物流”を実現する
INSOL-HIGH株式会社
弊社は、ロボットメーカーとテナント、物流の建物オーナー、この3者を1つのプロジェクトで結び付けられるのではないかと考え、2023年10月に創業しました。
現在、リターンが低くなっている物流施設は、空室率が上がっていて誘致したいがそのノウハウがないという状況に陥っています。
そこで、自動化を切り札に、物流の建物オーナーにロボットメーカーと組んで自動化導入の際の工事費やハードウエアの一部をアセットとして保有してもらう。
この物流施設に支援することによって、ロボットメーカー、建物のオーナー、テナントの3者がウィンウィンの関係になるサービスを提供しています。
弊社のサービスのポイントは、伴走型であることです。
テナント側が何を欲しているかはタイミングによって変わっていきますので、基本的にはコンサル窓口の立場ですが、自動化したい場合の新規拠点選びからシステム構築など、ベンダーフリーの立場でロボットメーカーと共同開発しながら提案していくことを適宜必要に応じて行っています。
このようなワンストップの流れであれば、物流の建物オーナーにとっても、省力で低コストな新拠点作りが可能となります。
2024年4月より、トラックドライバーの時間外労働時間の上限が設定され、輸送力が 2024年に約14%、2030年には約34%不足して、「モノが運べなくなる」リスクが大きくなると懸念されています。
そのため、ドライバーにタイムリーに商品を出荷していかなければならないという課題があり、この政府が掲げた物流革新に向けた政策パッケージに弊社も取り組んでいこうと、3PL※1と物流施設のマッチングにおける要件定義からファイナンスの独立支援を組み込んだ例示等をやらせていただいています。
2024年10月には2件ほど物件プロデュースを行い、ロボットメーカーが建物オーナーとタイアップして支援を受けつつ物流拠点を増やしていくイベント等をやっています。
※1 「Third(3rd)Party Logistics」の略。専門的な物流のノウハウを持つ第三者企業に委託する物流形態のこと。
中国が台頭するヒューマノイドロボット
中国は国主導でヒト型ロボットの開発に注力しており、2023年11月に「ヒューマノイドロボットのイノベーション発展に関する指導意見」が通達されました。
「大脳、小脳、四肢」など複数の重要技術の開発を達成し、2025年までにロボットの量産化を実現し、2027年までに世界の先端レベル到達を目指しています。
2024年8月に開催された北京のロボット展示会では、27体(27メーカー)のHumannoid robotが出展されました。
ほぼ人材ビジネスである物流業界の市場は2.5兆円。
その中でも人に変われる単純作業は全体の10%くらい。つまり、2500億円規模のヒューマノイド市場が見込めるだろうと予想されます。
物流のマテハン※2事業のロボット市場は約6,000億円ありますが、どうしても人が介在しないといけない場所というものがあって、そこにヒューマノイドを介在させることで、10人分の作業のうち人間がやるのは2人分に抑えられます。
※2「マテリアルハンドリング」の略称で、物流業務を効率化・自動化するために使用する機械の総称
2013年に商業用ヒューマノイドの販売が開始されました。
近い将来には物流や製造以外にも、より我々の生活に近い医療や介護にヒューマノイドが携わるシーンが増え続け、2030年には100万台に達するだろうと考えられています。
ただ、ロボットが自律的に動くのはまだ先になるでしょうから、人がするすべての作業をヒューマノイドで置き換えられるわけではなく、どの作業にロボットを当て自動的にどう動かすかを1つずつ探していって、ロボットメーカーが今できることをシミュレーターで実験・実装していくことの積み重ねになるでしょう。
例えば、具体的な仕分けの作業手順は、オーダー別にピッキングされたリストをスキャンし商品のJANコードをスキャンする。
LEDライトが照射する商品箱へタッチパネルに表示された分の商品を投入し商品箱の側面をスキャンする。
タッチパネルに作業結果が表示され、作業終了。
これらはすでに企業で実装されています。
目指すビジネスモデル_INSOL-HIGHプラットフォーム「REAaL」
弊社は、「REAaL」というプロジェクトを進めています。
「REAaL」は自社開発のAI搭載したヒューマノイドロボット専用プラットフォームです。
ヒューマノイドのマルチ最適化システム、マルチインターフェイスを作成し、顧客の在庫管理システムなどのすべてのシステムと連動させ、現場からフィードバックしてタスクをこなせる動きをさせるものです。
汎用的に使うことによってヒューマノイドの投資コストを抑えリターンを上げていく。
このような使い方を目指しています。
INSOL-HIGHの目指すHumanoid robotとは
「人に寄り添い、人を中心とした社会で共生するロボット」を目指しています。
いろいろなロボットメーカーとタイアップしながら、自動的どう動かすかを実現していく。
これらを、ヒューマノイドの定義から入っていきたいと思っています。
人に寄り添い、人を中心とした社会でどうヒューマノイドが共生できるか、このテーマに取り組んでいきたいと考えています。
ロボットにすべてを任せるのではなく、社会の中の人のための一部に手助けをするヒューマノイドのあり方を「ライフワークロボット」と我々は呼んでいますが、ロボットエンジニアの人材発掘にも注力しながら、自動化から自律化に向けてやっていきたいと考えていますので、よろしくお願いいたします。
▶次は、新世代型LIVEコマースを開発するパロニム株式会社です。