夏の和酒ラボ~長野県丸世酒造店の日本酒を楽しむ会

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日本全国から酒造経営者を招き、酒蔵に投資・経営支援できるスペシャリストたちが集う「和酒ラボ」。夏のイベントは、長野県『丸世酒造店』の6代目杜氏で製造責任者の関晋司氏をお招きし、蔵元厳選の日本酒を振舞っていただきました。「もち米四段仕込」という伝統製法でどのように日本酒を進化させているのか。とても楽しみな試飲でしたが、期待以上の美味しさとラインアップに参加者の皆さんも日本酒造りの奥深さを改めて学ぶ機会となりました。

『丸世酒造店』の日本酒を楽しもう

参加者の皆様と楽しいひと時を過ごし、丸世酒造店蔵出しの日本酒を堪能して盛り上がり、記念撮影。

開催日時:2025年7月10日(木)18:30~
参加者 20名
丸世酒造店6代目杜氏(次期社長) 関 晋司(せき しんじ)氏

『丸世酒造店』公式サイトはこちら

イベントの開催を通じて全国の酒造を応援する「和酒ラボ」。

2025年、暑い夏真っ盛りのなか、長野県『丸世酒造店』の日本酒を味わうイベントを開催しました。
丁寧に仕込まれた8種類の蔵出し酒はどれもイタリア料理にマッチして、ふくよかな味わいを醸し出してくれました。
会場は、『Sake Bar Tsukiji』(築地)です。

丸世酒造店6代目杜氏 関氏談

丸世酒造店6代目杜氏 関 晋司(せき しんじ)さんから、それぞれの特徴を説明いただきつつ飲むお酒は、一段と格別に感じられます。

長野県の北部に位置する中野市にて、明治3(1870)年創業の『丸世酒造店』の関と申します。よろしくお願いいたします。

明治維新の混乱期に、「世の中が丸くなりますように」との願いを込めて「丸世」と名付けた初代当主の思いを150年以上引き継ぎつつ、革新的な日本酒へと昇華させたいとの思いで、日本酒造りを続けています。

信州ならではの自然の恵みである清らかな水・米・酵母を使用して酒造りをしています。
仕込み水に使用するのは、井戸で汲み上げる志賀高原の雪溶け水です。
それを、信州大学の研究で生み出された機能性無機結晶の先鋭材料「信大クリスタル」で濾過し、特定の物質のみを除去することで理想の水にすることができ、理想の酒づくりに近づくことが可能になりました。

勢正宗Carp Series

酒造りの特徴は、代々引き継ぐ、三段仕込みの最後にもち米を加える「もち米四段仕込」です。
現在、他ではあまりやっていないのですが、 熱いもち米をそのままもろみの中に入れ、もろみの温度が高くなることで酵母が再び活動をはじめ、さらなる発酵を促し、より複雑な味わいが生まれます。
もち米の味わいをアップさせることで、ほんのり甘みを感じる辛口の日本酒となる特殊な酒づくりで、全ての作業が手仕込み。
より個性のある旨い酒を求めて変革を重ねています。

今日飲んでいただく「勢正宗(いきおいまさむね)」はすべて、この特殊な酒づくりで 仕上げたものです。

丸世酒造店公式ページより

丸世酒造店6代目杜氏 関 晋司(せき しんじ)さん

株式会社丸世酒造店の6代目杜氏。製造部長でもあり次期代表予定。高校まで地元で暮らし、北海道の大学に進学。卒業後は東京で社会人生活を4年間送る。その後実家に帰り、家業の酒造りに取り組む。
昭和59年度生まれの信州の酒蔵跡取5人からなるユニット「59醸(ゴクジョウ)」を結成し、日本酒文化を次世代に継承する活動を10年間行う(2024年10月解散)。現在も、地元の消防団や青年団体など、地域を盛り上げるためにさまざまな活動に取り組んでいる。

編集部後記

和酒ラボ 会長:今西由紀さん

「丸世酒造店の酒の会」にご参加いただき、本当にありがとうございました!
皆さまと一緒に、楽しいひとときを過ごせたこと、とても嬉しく思っています。

丸世酒造店さんは、長野県にある小さな酒蔵で、ご家族を中心に丁寧な酒造りを続けていらっしゃいます。
特別に仕込まれた試験酒や、もち米を使った四段仕込など、手間ひまを惜しまない細やかな仕込み、新しい挑戦的な酒造りへの取り組みがとても印象的でした。

和酒ラボ会長の今西さんから皆様にご挨拶

蔵の想いをお酒を通して分かち合えるのは素晴らしいことだと思っています。
またぜひ、日本酒を囲んで一緒に楽しい時間を過ごしましょう!

和酒ラボ 事務局長:酒井湧介さん

今回は長野県の丸世酒造店から、杜氏の関晋司さんにお越しいただきました。
以前、「59醸」という長野県の昭和59年生まれの杜氏で結成したユニットの一員として活動していた方で、個人的にお会いしてみたかった方です。

丸世酒造店では、三段仕込みの後、4回目にもち米を加えるという「もち米四段仕込」という今では珍しくなった仕込みを全面的に行っています。
そのおかげで、辛口でも仄かに甘みを感じるお酒に仕上がります。

今回は、関さんが手がけた「勢正宗Carp Series」を持ってきていただき、飲み比べをさせてもらいました。
フレッシュなものから、こってり落ち着いたものまで、どれも関さんの酒造りに対する真摯な姿勢、熱い思い、そして「勢い」が伝わる旨いお酒でした。
今回はアジアン・テイストを採り入れたイタリアンと合わせましたが、どのお酒も相性バッチリで、とても口福なひと時を過ごせました。

Orangecarp
酵母は協会901を使用し、酸の味わいを活かした丸世流の「辛口」を表現したお酒。精米歩合59%、アルコール度数14%で、米の旨みと酸の調和が絶妙。

ちなみに、フレッシュ感とコクのバランスが良くて気に入った「オレンジカープ」を家でチビチビ楽しもうと買って帰ったら、グビグビ飲んでしまって、すぐに飲み切ってしまったことは内緒です(笑)。

【酒造概要】
社名:株式会社丸世酒造店
所在地:〒383-0022 長野県中野市中央2-5-12
TEL. 0269-22-2011

「和酒ラボ」は、「事業投資ラボ」の分科会の1つです。
2016年1月より、定期的に講演会等を開催し継続してきた「事業投資ラボ(旧:スモールM&A研究会)」。
事業投資の事例、ノウハウ共有を目的に、「和酒ラボ」のほか、「M&A」「社長のしくじり」「健康資産」「宇宙ビジネス」など、「事業投資を自ら実践する方々」を対象とした、より実践的で役に立つ、楽しくディープな会を催し、情報発信を続けてまいります。
「事業投資ラボ」に関するお問い合わせ先:つながりバンク

今西由紀
サケ・ラバーズ株式会社 代表取締役
サケ・コミュニケーション株式会社 代表取締役

投稿者プロフィール
神奈川大学短期大学部卒業。日本電気入社。約25年勤務し、2018年に独立して「サケ・ラバーズ株式会社」を設立。2年後には日本国内向けの日本酒販売・企画を行い「サケ・コミュニケーション株式会社」を立ち上げる。
現在は日本酒を世界と日本国内双方向で販売し、さまざまな取組みによって広め、全国の酒蔵を支援する活動を行っている。 インバウンド観光、海外向け観光PR、酒蔵支援事業、日本酒の輸出事業を展開中。

酒井湧介
唎酒師/日本酒ライター/日本酒教室講師

投稿者プロフィール
中央大学法学部卒業。 単に美味しいだけでなく、日本の歴史や日本人の生活に深く絡んでいる「日本酒」に感動して以来、本業の傍ら、日本酒の普及活動、酒蔵の支援活動に力を注ぐ。 日本酒の絡む食品の企画、飲食店への助言のほか、自ら日本酒教室を運営する。過去には酒蔵の顧問を務めた経験もある。

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