【書評】人の採用を成功させる!究極の質問で人材を見極める

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イノベーションを創出するTALENTの発掘

ファウンダーやCXOなど高度に生産的な知能を持った人材を探しているのであれば、自己表現能力や言語の創造性を重視すべきでしょう。
真にクリエイティブでカリスマ性があり、生産性の高い数少ない彼らには、イノベーションを促進し新たなアイデアや解決策を生み出すことが期待できます。
既存の枠組みにとらわれない独自の視点やアプローチを持っており、困難な課題にも果敢に取り組むことができるでしょう。

また、高い言語の創造性を持つ優秀な人達は、自分のアイデアやビジョンを的確かつ魅力的に伝えるため、他者を引きつけ、協力者や投資家を獲得してくれ、ビジネスや組織を次のレベルに導く可能性を秘めています。
そういう人材を見つけることができれば、大きな成果を生み出せるでしょう。

パーソナリティを明確にする質問群

さらに、個人の内面に踏み込んだ以下の質問によって、相手の能力や才能を明らかにできると著者らは指摘します。

・「子どもの頃好きだったことは?」
・「配偶者やパートナー、 友人があなたを説明する10の言葉とは?」
・「これまでにした最も勇敢な行動は何ですか?」
・「半年以内に退職した場合の原因は何だと思いますか?」
・「前職で評価されていないと一番感じたのはどんなときですか?」

このような主観を明らかにする質問をする際、感情を抑えきれない人や、否定的な言葉を多用する候補者には注意が必要です。
将来トラブルを起こしたり、職場でうまく協力できなかったりする可能性があるからです。
前職で嫌な経験をしたのは本人のせいではないとしても、その経験からどの程度立ち直れているかを評価する必要もあります。

管理職やファウンダーの面接をしている場合は、革新的で気難しいタイプを探しているので、他の職種よりも大目に見てかまいません。
ただし、口が災いすることもあるため、罵り言葉や「嫌い」という言葉を多用したり、自分が傷ついた経験や、批判の正当化性とその理由について延々と話したりする場合は注意が必要です。
これらの候補者も、職場で問題を起こす可能性が高いです。

TALENTを表す最も重要な2つの質問

著者らは以下の2つのメタ質問によって、より優秀な人を採用できると述べています。

あなたが信じていることの中で、一番間違っている可能性が高いことは何ですか?

応募者の思考プロセスと、自分の信念について疑問を持ち批判的に考える能力を評価するための質問です。
自分の信念を明確に説明でき、その根拠を示すことができるかどうか、新しい情報を受け入れ自分の信念を変更できるかどうかを知ることができます

この面接はどのくらいうまくいっていると思いますか?

応募者の自己認識と面接の客観的状況を判断する能力を評価するための質問です。
自分の強みと弱みを特定したうえでパフォーマンスを客観的に評価し、面接の状況を改善するための建設的な提案ができるかどうかが明らかになります。

面接官はこれらの質問によって、すべての職種に重要となる候補者の「思考プロセス」「自己認識」「批判的思考能力」を評価し、自社に適した人材かどうかを判断することができます。

これらの予期せぬ質問に、冷静に、建設的に答えられる候補者を採用することが大切だという科学的根拠に基づいた本書のアドバイスを信じ、優秀な人材を採用するようにしましょう。

徳本氏の著書「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)

出典:優秀な人材を採用するための究極の質問。TALENT——「人材」を見極める科学的なアプローチの書評
この記事は著者に一部加筆修正の了承を得た上で掲載しております。

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徳本昌大
Ewilジャパン取締役COO
みらいチャレンジ ファウンダー
iU 情報経営イノベーション専門職大学特任教授

投稿者プロフィール
複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。
現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動するなか、多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施中。
ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。
マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

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