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暗号資産取引所ビットポイントをスタート
最初はM&Aか提携を考えて数社から話を聞いたのですが、預かり資産より現金が少ないなど問題があると感じてM&Aや提携、出資には至りませんでした。
いろいろと検討した結果、「自分たちでゼロから始めた方が良い」という答えに達して、ビットポイントをスタートさせたのです。
取引所として最も大事なのはクレジット(信用)ですから、当然、安心・安全な取引所にしたい。
この安心・安全の基準は、証券取引所クオリティを担保すること。
システムだけでなく、経営管理態勢においてもそのクオリティを意識しました。
2016年からサービスを開始し、ハッキングという大きな試練を経験しましたが、今では改善されとても良いクオリティを築くことができたと感じています。
中島氏――ハッキングに関しても本で書かれていますね。過去をなかったことにせず、真摯に対峙する姿勢が素晴らしいと思います。
暗号資産業界の課題解決に挑戦
中島氏――日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)や日本暗号資産取引業協会(JVCEA)の副会長も務められている小田さんから見て、日本の暗号資産業界にはどのような課題があると思いますか?
小田氏――JCBAでも議論されていますが、大きく3つの課題があると思います。
「セキュリティ(ハッキング対策)」「マネー・ローンダリング対策」「審査」の3つです。
セキュリティは、JCBAの役員でもあるクラーケンジャパンの千野剛司さんが、マネー・ローンダリング対策は、同じく役員のコインチェックの蓮尾聡さんがそれぞれ対応しています。
審査にかかる期間短縮に尽力
審査の問題については私が対応しており、日本の暗号資産取引所で新しい種類の通貨(銘柄)を取り扱う際にかかる審査をスピーディにしていきたいと思っています。
今は、審査に1年半から2年ほどかかってしまうからです。
中島氏――審査している間に、値が上がってしまいますからね。それでは、日本の取引所で取り扱われた時点ですでに割高で、機会ロスになっているとも言えます。
小田氏――そのとおりです。審査にかかる時間を短縮することが重要です。
以前は審査の際に、「ビットコインとはなにか」「イーサリアムとはなにか」と、基礎の基礎から解説する必要がありました。
しかし現在はその点を改良し、変更点や特記すべき点を洗い出すだけにしました。
今後はさらに改良し、より審査にかかる時間を短縮していこうとしています。
日本の取引所で取り扱われる通貨数が今後、増えていくことに対応していくためでもあります。
もちろん、必要な審査工程は残し、取り扱う通貨(銘柄)のクオリティを担保することは重要です。
▶次のページでは、暗号資産がサスティナブルなイノベーションであることを小田さんが熱く語ってくださいます!