目次
厳しい場面に挑戦し、自分の水準を上げる
――ありがとうございます。見立てとは、深い世界ですね。それにしても、茶人、陶芸家、サラリーマン、アスリートという基本のキャリアの周辺に得意分野を伸ばすことでオリジナリティあふれるオンリーワンのスラッシャー*になったということでしょうか。スラッシュの一つひとつを一定水準まであげる、習得するコツはありますか。
*仕事や職種を複数持つ人のこと。働き方の多様化により、「スラッシャー」と呼ばれる人が増えている
山田氏――まずアウトプットして人に見てもらうなど、自分を厳しい場面に立たせてみる、普通は痛くてやらないようなことをやってみることですね。
フランスでの個展は陶芸家のスタート地点に立ったばかりの僕には大きな舞台でしたが、やってみたら、「あ、できるな」と思えた。
多少間違えても大丈夫と思えるフランスの優しい空気の中だったからできたとも言えますが、たまたま用意された舞台に思い切って挑戦したから、分かったこと。

ランニングシューズのメーカーHOKAとコラボした企画
純粋な目線を持った「素人の熱狂」こそが強い
山田氏――ある意味、スペシャリストにならないことが、僕のテーマです。
別の言葉で言うと、「素人の熱狂」。
素人が熱狂すると、実は玄人よりも強い。
社会課題などに対してもそうですが、「こうでなければいけない」という枠がないから純粋な目線で物事を見て、「どう楽しむか」といった視点を持ち続けられます。
変なバイアスがないといろいろなものと掛け合わせることができるし、そういう柔軟な視点を自分でも常に持ち続けたいと思っています。
そして、怖いところに飛び込んで人の評価にさらされることはすごくいいと思う。
実践することですべてがスタートするし、怖がって10年、20年やらないでいれば、いつまで経っても何も進みません。
思いややりたいことを素直に行動に移した時点でほぼ成功しているという感覚が、僕にはあります。
――それはビジネスと一緒ですね。アイデアがあっても実行する人は少ないですし、スキルアップを目指して何らかの講座を受けても、そこで得た示唆を実行する人は少ないですね。
厳かで型に厳しいと思われがちな茶道の概念を覆されるとともに、心に響く山田さんならではの言葉がたくさん散りばめられたお話でした。後編では、お茶を通して自分の内面に向き合う方法やその大切さについてお話しくださいます。
※写真はすべて山田さん提供のものです。