SAKEを通じて世界を繋ぐ!四万十が誇る水と米で創業120年の酒蔵を再生
- 2024/6/27
- 経営全般
酒蔵に投資・経営支援できる日本酒ファンのスペシャリストたちが集う「和酒ラボ」6月開催は、高知県『文本酒造』の代表、岡山裕成社長をお招きし、試飲を兼ねたイベントでお話しいただきました。日本最後の清流「四万十川」流域で育てられた地域ブランド米「仁井田米」と「四万十川」の伏流水で仕込んだ日本酒。このイベントでしか味わえない蔵出し酒も堪能できた楽しいひと時でした。
目次
『文本酒造』の蔵出し酒を楽しむ会
開催日時:6月7日(木)18:00~
参加者 16名
代表取締役 岡山 裕成(おかやま ひろなり)氏
1903年創業、四万十川のほとり窪川地区最後の酒蔵を継承し、日本の伝統文化を現代にアレンジして世界へ発信する「文本酒造株式会社」。
コロナ禍での醸造休止後、第三者事業継承を経て、創業120年目の2023年に新たな日本酒の販売を開始しました。
商号を”fumimoto brewery”、日本酒ブランドを 「SHIMANTO」と一新。
日本の良いモノを途絶えさせたくない、守りたいという強い決意で、地域の文化を継承し新たな環境づくりにチャレンジしています。
参加者の皆さんも、新生『文本酒造』の蔵出し酒を楽しみに参加されました。
四万十町に笑顔と活気を取り戻す
代表の岡山社長に酒造再建のいきさつとそこに込められた思いを伺いました。
岡山氏―僕は昭和55年生まれ、三重県伊勢市出身です。
22歳の時に伊勢市で小さなライブハウスを作ったのが最初で、伊勢市と伊勢神宮のプロジェクトのイベント事業を今もやっています。
伊勢市、伊賀市の地方創生プロジェクトをずっとやってきたなかでご縁があって、 4~5年ぐらい前に高知県四万十町のPRの仕事をしたのがきっかけです。
コロナ禍で3年間醸造していない当時の文本酒造が、そのまま廃業するという危機的状況に陥っていて、地域でも心配されていたんですが、四万十町にある岩本寺というお寺の窪住職と僕らの会社で承継し、PRしながらお酒のプロジェクトを一緒にやろうということで始まった事業です。
120年続いた酒蔵を残すのだから、 ちゃんと四万十というブランドとして再開させよう!
最大の魅力は四万十川の恵。
流域で作っている地域米「仁井田米」を使って、地域のブランド力を高める!
この強い決意のもと、新しい日本酒の企画を初め、酒蔵母屋の佇まいや調度品を生かした日本酒ペアリングBARやコワーキングスペースの運営、岩本寺の宿坊とも連携し、世界中の人がSAKEに親しめるように、さまざまな仕掛けを施しています。
コンセプトは万歳酒の探究
お酒ができてまだ1年目の蔵ですが、究極の乾杯酒である「万歳酒」を作ることを目標に、杜氏と共に日々探求している文本酒造。
本イベントでは、以下の主要商品を提供してくださっています。
清酒「HANAYAGI」
ベリー系の甘い香りと米の甘さが心地よく感じられ、万人向けの飲みやすい日本酒。
後味はスッキリとした飲み口なので、料理にも合わせやすい味わいです。
- アルコール:13%
- 米:高知県産(仁井田米 にこまる 100%使用)
- 麹:国産
- 精米歩合:70%
日本酒「KAORU」
CEL24と香り米の十和錦を使用した薫り高い日本酒。
大吟醸と同じ製法で米を50%削っており、お料理に合わせやすい洗練された味に仕上がっています。
- アルコール:15%
- 米:高知県産(仁井田米 十和錦 100%使用)
- 米麹:高知県産
- 酵母:CEL24
- 精米歩合:50%
日本酒「KIRAMEKI」
新生文本として初の常温純米酒です。
ラインナップの中で1番磨いていないお酒ですが、日本酒やお酒が苦手な若者を中心に、かっこよく飲める日本酒にとの思いが込められています。
ポンボール(日本酒の炭酸割り)に参加者の皆さんで挑戦し、美味しくいただきました。
- アルコール:19.5%
- 米:高知県産(仁井田米 にこまる 100%使用)
- 米麹:高知県産
- 酵母:A14,A41
- 精米歩合:70%
未発表酒(お楽しみに!)
7月発売予定の未発表のお酒をタンクから入れて持って来て振舞っていただきました。
ワイン酵母を使ってスモーキーな日本酒に仕上がっているので、今までのラインとは違った面白さが感じられ、ぜひご賞味いただきたいお酒です。
ヨイタカで自分に合うおいしいお酒を見つけよう!
日本酒で楽しく酔い、イベントが高まる機能を持つ、イベント向けのスマホアプリ「ヨイタカ」。
自分に合うおいしいお酒を見つけるきっかけを作り日本酒を世界に広めたいとの思いから、株式会社オリサンキュ(代表 折原有武治氏)が運営し、本イベントでも参加者の皆さんに使い方をレクチャーしていただきました。
皆さんそれぞれが思い思いのダイレクトな感想をアプリで評価して、ワイワイ盛り上がるステキなきっかけを作っていただきました。
編集部後記
和酒ラボ 会長:今西由紀さん
文本酒造さんはもともと取引があり、ファンの酒造の一つでした。
その酒蔵が閉じてしまうと聞いて、非常に残念に感じていました。
ある時、海外の販売会のイベントで文本酒造さんを見かけて、非常に嬉しく、この度、新生文本酒造のお酒を堪能できて最高の気分でした。
これからも引き続き応援できたらと思っています!
和酒ラボ 事務局長:酒井湧介さん
今回は、「高知」にある文本酒造の代表で、「三重」在住の「岡山」社長にお越しいただきました(笑)。
休眠蔵から復活したばかりということで、いろいろ模索中とのことでしたが、フルーティーな味わいの「四万十」は、将来性を感じさせるのに十分なスペック。
参加者からは、「旨いね~」の声が上がっていました。
岡山社長の「酒蔵で町おこしをしたい、旨い酒を造りたい」という熱い思いは、参加者の皆さんに届いたこと間違いなし!
今回は、初の試みとなる利き酒アプリを用いての利き酒も実施。
イベントの盛り上げに一役買ってくれました。
また次回も実施できればと思います。
【酒造概要】
社名:文本酒造株式会社
所在地:〒786-0005 高知県高岡郡四万十町本町4-23
TEL. 0880-22-0039
公式HPはこちら
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「和酒ラボ」は、「事業投資ラボ」の分科会の1つです。
2016年1月より、定期的に講演会等を開催し継続してきた「事業投資ラボ(旧:スモールM&A研究会)」。
事業投資の事例、ノウハウ共有を目的に、「和酒ラボ」のほか、「M&A」「社長のしくじり」「健康資産」「宇宙ビジネス」など、「事業投資を自ら実践する方々」を対象とした、より実践的で役に立つ、楽しくディープな会を催し、情報発信を続けてまいります。
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