10万円スタートでもフランチャイズ本部はつくれる!(前編)
- 2021/2/12
- インタビュー
Z-EN読者のなかでも、フランチャイズ本部を運営してみたいと思われる経営者の方は多いのではないかと思います。今回は、ゼロから豆腐移動販売事業 ㈱豆吉郎を立ち上げ、FC本部に成長させ、たった12年で事業売却したご経験を持つ、V&Mパートナーズ㈱代表取締役社長 宮嵜太郎さんに、ゼロから大手新聞社にエグジットするまでの貴重なご経験を元に、小資本でも事業を大きく成長させる仕組みと秘訣を余すところなくインタビューさせていただきました!事業を拡大したいベンチャー・中小企業の経営者、これからフランチャイズ本部を立ち上げたい方は、必読です!
目次
豆腐の移動販売スタート
Z-EN――最初はどのような形で始められたんですか?
宮嵜太郎氏(以下、宮嵜氏)――最初は5万円の軽トラと5万円分の在庫を買って、売上を追っていくというスタイルでやっていました。
フランチャイズにしようとは思ってなかったんですが、ヤクルトレディのように真似できたらいいなと思って。
そもそも固定で払える給料など、お金もなかったので、100%インセンティブ制でしか考えてなかったですね。
――フランチャイズを始められたのはどのタイミングからでしょうか。
宮嵜氏――最初から、やっていることはフランチャイズと同じことだったと思うんです。
ヤクルトを想像してもらうとわかりやすいと思いますが、本部があってその下に営業所があって、そこに何十人っていうヤクルトレディの方が紐づいている。
そんな営業所の1つを買いたい人が現れて、それが売れたんです。
仕組みを売るためのからくりとは?
エリア販売(ヤクルトでいう営業所)
そのときエリア売却ってすごいなって思いました。
自分の土地でもないのに加盟金として売れるから。
しかも全額儲けじゃないですか。
正直、販売員さんは豆腐を売ってご飯を食べられていたと思うんですけど、会社自体は豆腐を売る利益はそんなになかったんです。
ほとんどは、豆腐が売れる仕組みをつくってその仕組みを売却することで利益を上げていました。
営業所を作っては売るっていうことを繰り返していたので、それが例えば初期費用50万円の倉庫に3か月くらいで営業所ができたら1,000万円とかで売れたりするんですね。
ビジネスの仕組みを売るっていうのはすごいなと実感しました。
それがフランチャイズの一番の醍醐味。
本部側からしてみると、どこそこのエリアが空いてますけど加盟金1,000万円でどうですか?って売れちゃうわけなんですね。
――実際、新規加盟はどのくらいの費用でできるんですか。店舗がないからそんなに高くないですよね。
宮嵜氏――豆腐を売る人(ヤクルトでいうヤクルトレディ)は、制服代など込みで加盟金1万円でやってました。
コンビニと同じように2つやり方があって、1つは、何もない所に営業所を作りませんか、売上はこれくらい立ちますから…っていうやり方。
もう1つは私たちのやり方ですが、営業所を作っちゃって売上も上げて営業権を売るという方法。
当然、リスクも本部が先に持つので、大体3か月分の売り上げの平均額で、3か月以内に売っていました。
売り上げの平均が500万円なら500万円が売却金額です。
信頼できるパートナーに”のれん分け”
――営業してから売却ですか。それは安心感がありますね。
宮嵜氏――そこに働きに来た人たちに売却していましたので。
――働きに来た人たちに売却するということは、いわゆるのれん分けですね。
宮嵜氏――そうです。のれん分けです。
――のれん分けにすることのメリットとは?
宮嵜氏――やはり、事業をちゃんとわかってくれる方に買ってもらった方が色々なことが決まるのが早い。
そして、トラブルも避けられるという安心感があります。
俗にいう「ゼロ次募集」で、実際に働いていながら「やりたい!」と言ってくれる既存の販売員さんに売却してエリアFCオーナーになってもらうのがほとんどでした。
▶小さな資本で独自の発想による事業を展開し成長させた宮嵜さん。次のページでは、著書をもとにその成功の秘訣と事業売却の極意についてお届けします!