荀子から考える③〜真のリーダーは、資質に溺れず礼節を尊重する姿勢を持つ

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「君子と小人の違いは、生まれや才能、能力の差ではない」と説いた荀子。では、君子、つまり成功者にはどのような特徴があるのか。また、その対極にある小人、つまり凡人は思考や行動にどういった傾向を持つのか。

荀子コラム第3回目では、君子の4つの具体像を明らかにし、現代のリーダーのあり方や真のリーダーになるための姿勢について考察します。一般社団法人数理暦学協会の代表理事 山脇史瑞氏が解説してくださいます。

正直で律儀、礼節を誠実に守る人が君子

荀子の教えを説く「荀子巻第二 不苟篇ふこうへん第三」は、
成功者(君子)の心得伝だ。
いやしくもせず」。つまり、「ただ~というわけではない」との視点で説かれている。
君子の相反する言葉は小人(凡人)であるが、
君子と小人の違いは、生まれや才能、能力の差異ではない。

困難な事業を成功させたり、
頭の良さを誇示したり、
名前を売るために行動したりする人たちは、
一見、君子っぽく見えるが、真の君子ではない。

天賦の才が豊かで、
自然に自己を伸ばし、正しい道を進んでいく人は、
ほんのひと握りだろう。
大多数の君子のように見える人たちは、
正直で律儀、礼節を誠実に守る人物だ。

そもそも、何をしたら良いか分からず、惑う人たちは、
どんなに頭が良く、才能にあふれていても、
小人である。

「君子」4パターンと「小子」

君子には4種類いる。
自分はどれに該当するか考えてみて欲しい。

通士つうしなる者有り、公士こうしなる者有り、直士ちょくしなる者有り、愨士かくしなる者有り、小人なる者有り。

事理に通じる「通士」

上は則ち能く君を尊び、下は則ち能く民を愛し、物至りておうじ、事起りてべんず、是の若くんば則ち通士と謂う可し。


上司(社長)を尊敬し、部下を愛し、
物事の変化に上手く対応して迅速に冷静に処理できる。
こうであるなら、通士といえよう。


上と下の仲をとり持つ「公士」

下に比して以て上をくらまさず、上に同して以て下をましめず、爭を中に分ち、私を以て之を害せず、是の若くんば則ち公士と謂う可し。


公士は、
部下との関係において、
良く言えば、友だち感覚で接し、
悪くいえば、嫌われたくないから、馴れ合いの関係になる。
また、都合の悪いことは上司(社長)からごまかそうとするが、
上司(社長)の言いなりになって、部下を苦しめるようなことはせずに、
上司と部下の間に立ち仲介が出来る。


実直な「直士」

身の長なる所、上知らずといえども、以て君をうらまず、身の短なる所、上知らずと雖も、以て賞を取らず、長短飾らず、情を以て自らつくす、是の若くんば則ち直士と謂う可し。


自分の長所や手柄が上司(社長)に知られなくても、
上司(社長)を恨まず、
自分の短所や失敗を上司(社長)が知らないで、
出世させようとしたり、ボーナスを支給したりするときは、
潔く辞退し、
自分の欠点(失敗)を理由として公言出来るのが直士である。


真面目さが際立つ「愨士」

庸言ようげん※1は必ず之を信にし、庸行ようこう※2は必ず之を愼み、流俗にのっとらんことを畏るるも、しかも敢て其の獨する所を以て甚しくせず、是の若くんば則ち愨士と謂う可し。

※1 いつも通りの言動
※2 いつも通りの行動


愨士とは、
常日頃、自分の言葉には信を置き、
その信頼を裏切らぬよう、
世俗の意見に惑わされぬよう、
慎重に誠実に行動する。
かといって、自分だけの独善独行、
スタンドプレーをはなはだしくやりすぎることはない。


君子の仮面をかぶる、度量と品性に欠ける「小人」

言に常信無く、行に常貞無く、唯利の在る所、傾かざる所無し、是の若くんば則ち小人と謂う可し。
引用は、荀子巻第二 不苟篇第三(岩波文庫「荀子」金谷治訳より)


言葉に信頼性がなく、裏付けもなく、
感覚的であり、さも凄いというようにいい、周りを惑わすのが小人だ。
その行動にもムラがあり、継続性がなく、
ただ儲かると思うところ、メリットがあると思うところには鼻が利き、
積極的に顔を出す。


君子に近づくには君子に学べ

君子は、誰とでも表面的には友達になれるが、
親しくなることが難しい。
小人は小人同志しか、継続的な関係性が維持できない。

現代でいえば、
自分が小人なのに、異業種交流会に行き、
成功者である君子とお近づきになり、
一緒に事業展開をしたいと望んでも、
最初は乗ってくれても、恐らく短期間で終わり、
その話は尻切れトンボになってしまうようなことである。

小人が成功を収めたいのであれば、
自己の人間性を上げるしかなく、
そのために君子から学べと荀子はいう。

年下でも、
バックグラウンドがなくても、
相手は君子。
師匠として遇すること。
それができたとき、初めて小人は、君子になる資格を有するだろう。

出典:Wikipedia

荀子は、中国戦国時代末の思想家・儒学者。紀元前4世紀ごろに趙に生まれ、50歳で初めて斉に遊学したといわれています。尊称として荀卿とも呼ばれ、漢代には孫卿とも呼ばれ、礼を重んじ正しい礼を身に着けることを徹底した思想家で知られる。(ウィキペディアより)

一般社団法人 数理暦学協会では、
週2回のZOOMオンライン東洋思想勉強会(無料)を開催しています。
詳しくは
コチラをご覧ください。

出典:荀子思考が創り出す、未来社会③ 君子と小人
この記事は著者に一部加筆修正の了承を得た上で掲載しております。

山脇史端
一般社団法人数理暦学協会 代表理事
算命学カウンセラー協会主催

投稿者プロフィール
13代算命学宗家・故高尾義政氏・清水南穂氏直門下生として、清水氏に20年師事。当協会の学理部門を総括する。
一般社団法人数理暦学協会代表。
担当講座は、干支暦学入門講座・干支暦学1級講座・講師養成講座・数理暦学講座など。
IT事業、企業研修、オンラインシステムの運営を担当

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