AIとビッグデータの力で人が全機現できる世の中を作る!(前編)
- 2021/2/1
- インタビュー
目次
2017年 ㈱ZENKIGENの始まり
起業は社会をよくするための挑戦
――㈱ZENKIGENを立ち上げたきっかけを教えてください。
野澤氏――ソフトバンク時代は起業は考えていなかったんです。
遡れば、大学生の時に、起業してIPOして10億円作ってから国政に出て政治家として国を変えるというイメージを思い描いていたんですが、政治で世の中は変えられないなと思うようになって。
起業ではなく、サイバーエージェントやソフトバンクのような変革を繰り返す組織にいて、その影響力を使って社会を変えていく方が自分に合っていると考えが変わりました。
ソフトバンク退職後、一瞬転職も考えたんですが、転職先として、ユニクロの柳井さんや日本電産の永守さんのお顔が浮かんできて…サラリーマン時代の今までと同じじゃないか、もう転職はない!と起業を決意しました。
当時は42歳。
エネルギーも有り余っている感覚だったので、自分の創造性を試し大好きな仲間たちと事業を通じて社会を良くすることに挑戦できる、真にこれが最後の勝負だ!と思いましたね。
全機現できる社会を目指して
――ZENKIGENという会社名は、禅の言葉「全機現」から来ているのですね。
野澤氏――「全機現」とは、人が本来持っている「全ての機能を現す」という禅の言葉です。
要はフルパワーということです。
この言葉を最初に教えてくれたのは、バドワイザー・ジャパン初代社長・会長を務められた、近藤隆雄さん。
近藤さんは僕の人生の師匠です。
会うたびに「お前全機現してんのか?」と言われて(笑)。
疲れ切ったサラリーマンを見て、若者たちがサラリーマンはやりたくない!と思うような社会にしてはいけない。
みんなが「全機現」できる社会を目指して、そのまま社名にしてしまおう!と思ったわけです。
また、「禅」の思想は日本からアメリカに渡って、マインドフルネスとして逆にアメリカから日本に戻ってきました。
世界のど真ん中で禅の言葉を社名にしてグローバルなステージに立ったらクールなんじゃないかと思いました。
採用DXサービスharutaka(ハルタカ)
採用現場の課題
――採用DXサービスharutaka(ハルタカ)を作られたきっかけを教えてください。
野澤氏――創業メンバーの水野との会話がきっかけです。
アメリカでは国土が広く移動が大変なため、Web面接サービスは昔からありました。
でも、日本でのプレイヤーは当時外資から入ってきた1社しかなかった。
これからスタンダードになるだろうと思いました。
サイバーエージェント時代、何千人もの応募者に対して採用面接をしていました。
大体、会って2、3分でカルチャーフィットするかどうかは分かるので、遠方から出向いてくれる求職者には、時間も交通費も無駄になり申し訳ないと思っていました。
その後、2011年にサイバーエージェントを辞めソフトバンク時代の約7年を経たのち、採用現場の現状を再度知ることになりますが、8年経ってもなお面接のやり方は何も変わっていなかったんです!
なぜWeb面接が普及しないかというと、日本の企業の人事部には、ITリテラシーが低くて保守的な傾向があるからだと思いました。
一方で、働き方改革で人事部が一番忙しい。
求人倍率が上がって労働人口が減ってきている背景のなかで、上手く人を採用できていないのが現状です。
人事採用オンライン化の肝はビッグデータにあり!
そんななか、僕が起業した2017年当時には、wi-fiや4Gが普及し、みんなスマホを持っていました。
若い子が自撮りをしてSNSにあげるというライフスタイルも定着しつつあった。
そして、新規ビジネスをサイバーエージェントで作ってきた経験のなかで、一番大事なのはタイミングだと分かっていました。
時代の変化すべてを含めて、人事採用のオンライン化はこれから数年で必ずティッピングポイントを迎えると確信しました。
そして忘れてはならない、孫さんに学んだ、とにかくビッグデータを持つことという教えがありました。
Web面接の動画がまさにこのビックデータです。
1分の動画がWebページで3,600ページ分と言われています。
そして、これは日本になかったデータ。
後発ながら、採用に関するビックデータが日本で最も集まる会社になれる。
そして、データが集まりさえすれば、あとはエンジニアを集結させAIのビジネスができると思いました。
ここまでを20秒で考えて起業を決めました!
※この続きは「アフェクティブ・コンピューティングで誰もが活躍できる場の創出を!」でお届けします。