ITと人との橋渡し役!CIOが企業の変革と未来を担う(後編)
- 2022/10/6
- インタビュー
目次
坂本俊輔氏の経歴
――ところで、坂本さんのようなご経歴の方はあまり起業しない気がするんですが、起業のきっかけを教えていただけますか。
坂本氏――3段階のきっかけがありました。
第1段階:転職のきっかけ
もともとNTT系列の会社に所属していましたが、比較的好きなようにやらせてもらって面白かったんです。
ただ、我慢できなかったのが、1つの仕事のサイクルが長すぎたことです。
3年がかりで提案をし、3~4年かけてシステムを作り、そこからシステム導入の効果をあげるのに2~3年かかる。
今やっている提案が本当に意味のある提案なのかどうかが自分のなかでなかなか検証できない。
1つ1つが大きなプロジェクトでしたので、やりがいはあったものの、もう少し短いスパンで試行錯誤して自分なりにPDCAを早いスピードサイクルで回したいという気持ちがありました。
第2段階:新商品立ち上げのきっかけ
そのような背景からベンチャーに転職し、そこで役員になりました。
手掛けていた領域において、より良いパッケージ製品を作れないかと考えていた時に転職の機会が訪れ、新規商品を立ち上げさせてもらえました。
製品事業を入社前段階に打ち合わせして開発を進め、製品完成時に転職をしたという経緯です。
転職と同時に新商品の販売開始ができたのはよかったですね。
第3段階:独立のきっかけ
その後、同社でコンサル事業の立て直しのほうに関わるのですが、そこで今に通じる発注者のサービス形態について私なりに体験する機会があり、やりたい事業が見つかったというのは大きかったです。
しかし、同社でその事業を続けることが難しくなってしまい、私が作った事業を売却してもらおうとしたのですが、なかなかいい買い手が見つからずに、結局自分が買います!と手を挙げて独立しました。
社長になりたかったわけではなく、作ってきた事業を続けたかったというのが独立の理由です。
葛藤を経て変革の力で再起
――素晴らしいですね。その思い、執念みたいなものがあるから4年前のビジョンの作り直しにつながっているんでしょうし、日本のCIO業界を変えたいという坂本さんの強い思いはインタビューでも伝わってきました。諦めない力を感じます。独立して10年が過ぎていますが、ご苦労もあったんじゃないですか。
坂本氏――目立った苦労はないですが、起業して5~6年くらいたったころに私のモチベーションがダダ下がりした期間がしばらくありました。
1つひとつの仕事はお客様から満足してもらえているんでしょうけど、会社として成長している実感がないという時期があり、実際にも成長していなかったんだと思います。
自分個人として成長しているけど、会社は成長していない。
GPTechという会社が自分の足かせになっていると感じてしまっている時期があって、これはもうだめだと。
かといって、簡単に会社は辞められないし…と悩んでアドバイザリーを入れたりしました。
やりたい仕事ではある、でも会社がそれを実現できていないと、壁にぶつかったんですが、ここから経営理念を刷新したり、政府職員という非常勤の立場になって社員に自立を促したりして、いろんな変化を生み出していくなかで会社が変わっていくのを感じ、モチベーションを高めていくこともできました。
その過程で、アドバイザリーに入ってもらったメンバーには当社の取締役に就いてもらいました。
他の方の起業事例で、3人で起業しその3人でずっとやってきたというような事例を聞くと羨ましく思うんですが、私の場合は1人で立ち上げ1人で推進してきたので、1人でやることの限界を感じモチベーションが下がっていったというのが一番つらかったんだと思います。
正当な情報への投資を実現する社会に
――なるほど。そこでCXOが必要だと気付くということなんでしょうかね。自分がCIOをアウトソーシングする立場にいながらCXOが足りないと気付くって、面白いですね。最後に、異業種も含めて提携したい会社や、採用したい人材などあればお願いします。
坂本氏――情報の質に投資する、きちんとした社会を実現したいという思いで活動されている方、事業をされている方というのはいらっしゃると思います。
今のところ弊社は、「発注者支援」という視点でしか思いついていないですが、そういう企業や仲間と一緒に仕事をしたいですね。
――よくわかりました。ありがとうございました。
本編の前編はこちらからご覧ください。