アスリート社長の会社経営術に学ぶ!オレンジアーチ 本山功さん
- 2022/10/13
- インタビュー
スポーツを通じて身体と心の健康を保ち、事業を成長させている経営者へのインタビュー。今回は、株式会社オレンジアーチ 代表取締役の本山功さんに迫ります。同社は、社員数170名、上流工程のシステムエンジニアを多数抱えるスペシャリスト集団。本山社長は、生粋のエンジニアであるとともにアスリートランナーとして企業力を高めていらっしゃいます。「健康経営」が注目されるなか、社員も巻き込みながら事業拡大に繋げる本山社長に、スポーツがどのように事業継続に好循環をもたらすかを伺いました。
目次
座右の銘
雲外蒼天
※「雲の外には青空が広がっている」との意味から、「努力し困難を乗り越えた先には明るい未来がある」という意味で使われる。
「市民ランナーグランドスラム三冠」偉業の達成者
「市民ランナーグランドスラム三冠」とは
① 速さの達成:サブスリー(フルマラソン3時間以内完走) ② 長さの達成:サブ10(100㎞のウルトラマラソン10時間以内完走) ③ 高さの達成:富士登山競争登頂(麓から頂上まで4時間30分以内完走) |
上記の3つを達成したランナーだけに与えられる名誉ある称号です。
①は、1㎞を4分15秒以内で42.195㎞駆け抜けるタイム。
人の歩くスピードの3倍もの速さで、フルマラソンを走り続けられる人といえば、そのすごさが分かるでしょう。
参考までに「不動産物件の徒歩●分」の1㎞は、少し早歩きの設定で12分30秒です(不動産の表示に関する公正競争規約より)。
全ランナーの3%程度、まさにエリートの領域です。
②は、100㎞を6分/㎞で走り続ける体力・気力が求められます。
フルマラソンを2回続けて走って、更にハーフマラソン走るイメージです。
人間の限界を超えています。
③も、富士山に一度でも登った方であれば、そのすごさが分かるでしょう。
麓から5合目、頂上へと一気に3,000ⅿを駆け上がるマゾヒズム溢れる大会です。
体力だけでなく、日々の鍛錬、自己管理能力、そして天候やエントリー合戦の勝ち抜きなど「運」も必要となります。
本山さんは、この過酷な競技をすべて時間内に成し遂げ、「市民ランナーグランドスラム三冠」を達成されています。
経営者という重責を背負い多忙な日々を送りながら、スポーツを続け、さらには社員を巻き込みビジネスとの相乗効果を創出する、本山社長の素顔に迫ります。
スペシャリスト集団率いる社長はスポーツもスペシャル
――本山さんは、大規模システム開発プロジェクトで上流工程を担うエンジニアのスぺシャリスト集団、株式会社オレンジアーチの代表取締役でいらっしゃいますが、スポーツへの関わりもスペシャルだと伺っています。どのようなスポーツを経験されていらっしゃるのですか?
コロナ禍まではずっとマラソンに取り組んできましたが、最近では海釣りにはまっています。
マラソンに本格的に取り組むようになったのは、2011年の東京マラソンからです。
最初は、5km走ると息が上がって走れなくなるところからのスタートで、東京マラソンチャレンジの時も、まず出場を決めて、開催半年前から走り始めました。
週ごとに1kmずつ距離を伸ばしながら毎日走りましたね。
――アスリート社長の本山さんも最初はそんな状態だったのですね。
学生時代はサッカーに打ち込んでいましたが、がむしゃらだった当時のイメージのままで、ゆっくりペース配分しながら走るという感覚が分からなかったんです。
初っ端から飛ばして真剣に走ってたんですね(笑)
ペースを測るようになってから、タイムが縮まっていくのが楽しくなって、初マラソンとなる東京マラソン2011は、3時間53分09秒のタイムで完走することができました。
――初回から随分と早いタイムでしたね!御社の創業は2008年とのことですが、初マラソン出場時2011年はお忙しかったのではないですか?
そうですね。忙しかったと思いますが、私はどんなに忙しくても趣味の時間を大切にします。
若いころから仕事で徹夜明けでも、翌日に遊ぶ約束があればそのまま遊びに出てリフレッシュするようにしています。
それが良い仕事をする秘訣だと思っているんです。
――その後も着々とタイムを縮めていき、初フルマラソンから2,3年で3時間20分にまで到達されたそうですね。
もっと早くなりたい!と一心に願っていましたね。
マラソンの会「明走会」に参加したり、体幹トレーニングのためにピラティスを取り入れたりしてタイムを縮めていきました。
さらに、「ニッポンランナーズ」という本格的なマラソンの会に入会し、日曜日はそこで戦略的トレーニングを行い、平日は朝5㎞、土曜日は20㎞以上の距離走を、当時は雨の日も雪の日も走っていました。
走れば走るだけタイムが縮まり、逆に走らなければタイムが落ちるという分かりやすい結果が出ますから、走らないと不安になる依存症のような状態でした(笑)
でも、筋肉が戻ってくる身体の変化や、ライバルたちから抜きん出ることに、喜びや楽しみを感じてもいました。
そして、2013年に第32回佐倉朝日健康マラソン大会で、2時間58分13秒のタイムを出し、ついにサブスリー※1を達成しました!
その翌年の東京マラソンでも、2時間57分55秒とさらにタイムを縮めることができました。
※1 フルマラソンを走って記録が3時間を切るとサブスリーと表現される。全ランナー人口の3%しかいない貴重な存在。
▶システム開発の精鋭プロジェクトを率いる本山さんは、さらなる高みを目指すストイックな一面をお持ちのようです。次のページでは、「市民ランナーのグランドスラム」への挑戦を果たした本山さんが提唱する、スポーツが生み出すシナジーについてお伝えします!