不動産業界にイノベーションを!不動産価格の透明化を目指して(後編)

この記事を読むのにかかる時間: 5

マンションリサーチ株式会社 代表取締役 山田敏碁さんは、創業時からの理念である「不動産価格適正化と透明化」にこだわって不動産業界にリノベーションを起こしてきた第一人者です。前編では、不動産業界が抱える課題やそれを打破すべく変革を試みた経緯、マンション売却一括査定サービスの開発などについてお話いただきました。後編では、コロナ禍での不動産投資や今後のビジョンについて語っていただいています。山田さんのようなトップの下で働いてみたいと思われる方も多いのではないでしょうか。

コロナ禍の不動産マーケット

マンションリサーチ株式会社 代表取締役 山田敏碁さん Z-EN撮影

――ビッグデータをお持ちの御社からみて、このコロナ禍の不動産マーケットをどのようにご覧になっていますか?

山田氏――投資物件と違い、実需マーケットを見た時には、あまり影響を受けていないですね。
リーマンショックの時もそうでした。
一時的な下がりや地域的なものもありましたが、実需の不動産価格はここ数年の上昇傾向のまま高位安定といったところです。

不動産価格が下がっていない理由は、売却する側が売り控え、需要と供給のバランスで買手のほうが多いということだと思います。
あとは、区分所有マンションの場合、不動産業者の「買取再販」という仕入取引が3割程度占めているのですが、コロナ融資で不動産業者の買付力が大きくなっているからだと推測してます。

――なるほど。不動産投資についてはどう思われますか?

山田氏――例えば、タワーマンション最上階東南角部屋ルーフバルコニー付きなんていうと、みんな欲しいのですが、利回りにすると3%程度なのです。
仮に家賃が落ちないとしてもわずか3%の利回りだと回収に一体何年かかるんでしょう。
であれば、タワマンの低層階を買う方が賢いかもしれませんね。

それから、今回のようなコロナ等の不測事態があり、一時的に価格が落ちる場合もあるかもしれませんが、その時に投げ売るのが一番もったいないと思います。
賃貸で回して価格が回復してきた5年後に売却するといった方法も検討できるのではないかと思います。

――空き家問題については、どうお考えですか?

山田氏――マンション.naviでも空き家となっている物件を一部取り扱っています。
不動産や土地を譲渡したいけれど、買主が見つからず、不動産会社からも手が上がらない物件もどこかに掲載する機会があれば売れるかもしれないと思い「リサイクル不動産」というサービスを作りました。

掲載は所有者が物件情報を自分で掲載できて、価格交渉などのやりとりも自由。
買手も無料で使えます。
今は、物件価格1,000万円以下のものしか掲載できないようになっています。

――社会的意義のある素晴らしい取組ですね!空き家問題に悩む方々には朗報かと思います。

山田氏――私たちは場を提供しているだけなのですけどね。
先日も山間部の狭い土地の取引がありました。
使い道はどうするのか?と思っていたら、山間を活かしてサバイバルゲームの店を開くというのです!
私たちには思いもよらないニーズでびっくりしています。

スタッフには自由裁量で仕事を任せる

――そんな山田社長のお人柄が反映されたように、スタッフのみなさんも仲が良さそうでとてもいい雰囲気ですね!人財が定着する秘訣はなんでしょうか?

山田氏――私自身の経験をお話しすると、以前は従業員・役員として会社に所属し、でも結局辞めて今があるのです。
どうしたら辞めなかったのだろう?と考えた時、その大きな理由は、仕事を任せられていなかったことにあったと思います。
自由裁量じゃなかったこと、やりたいことができなかったことが嫌だったのですよね。
であれば、自分の会社のスタッフには自由裁量で業務してもらえばいいじゃないか?と思ったのです。

例えば一つのサービスを作る時に、意見が分かれたら2つ作ればいいじゃないか?と話す。
実際それぞれサービスを競わせてみたら結果が出て、納得感もある。
無駄に聞こえるかもしれませんが、仮にサービス構築費が100万円とか200万円という規模ならば、経営にはそんなに影響しません。
それよりも、スタッフの想いを大切にしたほうがいいと、私が一番身にしみてわかっていますから。

実際、僕が鶴の一声的な発言をすると、スタッフ側も意見を言い出しにくいですよね。
現場を知っているのは彼らのほうですから、僕は分からないことはジャッジしないことにしています。
やりたい人はやればいい。
そして、さぼる時もあってもいいんじゃないかと思っています。
前向きにリラックスして、気持ちよく仕事を盛り立てていってもらえればと思います。

マンションリサーチ 公式HPより

▶不動産マーケットの現状がよくわかるお話でした。自由裁量でのびのび社員に働いてもらいたいと考える山田さんのビジョンをお聞きしました。次のページでお届けします!

1 2

山田敏碁
マンションリサーチ株式会社 代表取締役
不動産売却サポート株式会社 代表取締役

投稿者プロフィール
不動産ディベロッパー及びフランチャイズ系不動産仲介会社での勤務を経て、2011年4月にマンションリサーチ株式会社を設立
同年8月より分譲マンション専門サイト「マンションナビ」を運営開始
全国の約13万棟の分譲マンションについて独自に収集した3000万件超の流通事例を元に、マンションごとの売買相場、賃貸相場を同ウェブサイト上に公開
PRESIDENT、住宅新報、週刊住宅、DIAMOND onlineなどのメディアにも多数寄稿

関連記事

ピックアップ記事

  1. 前向きに事業変革に取り組む経営者にとって、資金調達が成功するかどうかは、時に企業の先行きを決定してし…
  2. DigitalTransfomation
    コロナ禍で日本の商習慣が変化し、クラウドサービスを導入する企業が増えています。前回の「アフターコロナ…
  3. Z-EN読者のなかでも、フランチャイズ本部を運営してみたいと思われる経営者の方は多いかと思います。今…

編集部おすすめ記事

年別アーカイブ

ページ上部へ戻る