不動産業界にイノベーションを!不動産価格の透明化を目指して(後編)

マンションリサーチ株式会社 代表取締役 山田敏碁さんは、創業時からの理念である「不動産価格適正化と透明化」にこだわって不動産業界にリノベーションを起こしてきた第一人者です。前編では、不動産業界が抱える課題やそれを打破すべく変革を試みた経緯、マンション売却一括査定サービスの開発などについてお話いただきました。後編では、コロナ禍での不動産投資や今後のビジョンについて語っていただいています。山田さんのようなトップの下で働いてみたいと思われる方も多いのではないでしょうか。

コロナ禍の不動産マーケット

マンションリサーチ株式会社 代表取締役 山田敏碁さん Z-EN撮影

――ビッグデータをお持ちの御社からみて、このコロナ禍の不動産マーケットをどのようにご覧になっていますか?

山田氏――投資物件と違い、実需マーケットを見た時には、あまり影響を受けていないですね。リーマンショックの時もそうでした。一時的な下がりや地域的なものもありましたが、実需の不動産価格はここ数年の上昇傾向のまま高位安定といったところです。

不動産価格が下がっていない理由は、売却する側が売り控え、需要と供給のバランスで買手のほうが多いということだと思います。あとは、区分所有マンションの場合、不動産業者の「買取再販」という不動産業者の仕入取引が3割程度占めているのですが、不動産業者がコロナ融資で買付力も大きいからだと推測してます。

――なるほど。不動産投資についてはどう思われますか?

山田氏――例えば、タワーマンション最上階東南角部屋ルーフバルコニー付きなんていうと、みんな欲しいのですが、利回りにすると3%程度なのです。仮に家賃が落ちないとしてもわずか3%の利回りだと回収に一体何年かかるんでしょう。であれば、タワマンの低層階を買う方が賢いかもしれませんね。

それから、今回のようなコロナ等の不測事態があり、一時的に価格が落ちる場合もあるかもしれませんが、その時に投げ売るのが一番もったいないと思います。賃貸で回して価格が回復してきた5年後に売却するといった方法も検討できるのではないかと思います。

――空き家問題については、どうお考えですか?

山田氏――マンション.naviでも空き家となっている物件を一部取り扱っています。不動産や土地を譲渡したいけれど、買主が見つからず、不動産会社からも手が上がらない物件もどこかに掲載する機会があれば売れるかもしれないと思い「リサイクル不動産」というサービスを作りました。掲載は所有者が物件情報を自分で掲載できて、価格交渉などのやりとりも自由。買手も無料で使えます。今は、物件価格1,000万円以下のものしか掲載できないようになっています。

――社会的意義のある素晴らしい取組ですね!空き家問題に悩む方々には朗報かと思います。

山田氏――私たちは場を提供しているだけなのですけどね。先日も山間部の狭い土地の取引がありました。使い道はどうするのか?と思っていたら、山間を活かしてサバイバルゲームの店を開くというのです!私たちには思いもよらないニーズでびっくりしています。

スタッフには自由裁量で仕事を任せる

――そんな山田社長のお人柄が反映されたように、スタッフのみなさんも仲が良さそうでとてもいい雰囲気ですね!人財が定着する秘訣はなんでしょうか?

山田氏――私自身の経験をお話しすると、以前は従業員・役員として会社に所属し、でも結局辞めて今があるのです。どうしたら辞めなかったのだろう?と考えた時、その大きな理由は、仕事を任せられていなかったことにあったと思います。

自由裁量じゃなかったこと、やりたいことができなかったことが嫌だったのですよね。であれば、自分の会社のスタッフには自由裁量で業務してもらえばいいじゃないか?と思ったのです。例えば一つのサービスを作る時に、意見が分かれたら2つ作ればいいじゃないか?と話す。実際それぞれサービスを競わせてみたら結果が出て、納得感もある。無駄に聞こえるかもしれませんが、仮にサービス構築費が100万円とか200万円という規模ならば、経営にはそんなに影響しません。それよりも、スタッフの想いを大切にしたほうがいいと、私が一番身にしみてわかっていますから。

実際、僕が鶴の一声的な発言をすると、スタッフ側も意見を言い出しにくいですよね。現場を知っているのは彼らのほうですから、僕は分からないことはジャッジしないことにしています。

やりたい人はやればいい。そして、さぼる時もあってもいいんじゃないかと思っています。前向きにリラックスして、気持ちよく仕事を盛り立てていってもらえればと思います。

マンションリサーチ 公式HPより

将来のビジョン

――山田社長は事業投資も積極的に考えていらっしゃるとか。

山田氏――不動産取引は、箱だけ貸したり売ったりすることで終わってしまう場合が殆どですが、起業する方や不動産を借りる方々に、夢を応援する立場で、内装を含めて場を一緒に作り不動産と事業をひっくるめてサポートしてあげられるようなこともやりたいですね。社会貢献にも繋がればいいと思っています。

コロナ禍のオフィス離れが進んでいると言われていますが、実際には完全なリモート化は難しいでしょうね。特にベンチャーなどにとって人が集まることの効用は計り知れないですから。不動産視点でみると、なんでもできると思っていますね。 

――今後の未来予測、こうなりたい!将来ビジョンを教えてください。

山田氏――僕は自分が独立して苦労もありながらも自由である幸せを感じています。できれば多くの仲間にも同様の経験をしてほしいとの想いから100名の社長を作りたい!と考えており、社内起業を支援しています。既に弊社から5つの事業がインキュベートし、社員がそれぞれ代表を務めています。2017年に不動産業界を人から変えていこうというコンセプトで立ち上げた、ヒトワークス株式会社、2018年に設立した不動産業専門商社やコンサル、メディア運営を行うミカタ株式会社という会社です。

2018年に設立したミカタ株式会社の運営する不動産メディア「不動産会社のミカタ」

他にも、不動産事業者向けの「間取り図」作成会社、グッドモーニング・コミュニケーション㈱は月に4万件ほどの手掛けています。実際の作業は中国とベトナムの現地法人で行っており、海外展開も積極的に進めていきます。

現状に満足することなく、今後も不動産業界の“困った”を解決する事業を展開する新会社立ち上げに挑戦していきたいと考えています。

今後は業務提携や、時にはM&Aという手法の活用も考えてますが、買収などという訳ではなく、我々の理念やビジネスに共感できる方に仲間になって欲しいというようなイメージです。門戸はいつでも開いてますので、興味ある方はぜひ気軽にお声がけ下さい。

――本日はありがとうございました。

山田敏碁
マンションリサーチ株式会社 代表取締役
不動産売却サポート株式会社 代表取締役

投稿者プロフィール
不動産ディベロッパー及びフランチャイズ系不動産仲介会社での勤務を経て、2011年4月にマンションリサーチ株式会社を設立
同年8月より分譲マンション専門サイト「マンションナビ」を運営開始
全国の約13万棟の分譲マンションについて独自に収集した3000万件超の流通事例を元に、マンションごとの売買相場、賃貸相場を同ウェブサイト上に公開
PRESIDENT、住宅新報、週刊住宅、DIAMOND onlineなどのメディアにも多数寄稿

この著者の最新の記事

関連記事

編集部おすすめ記事

年別アーカイブ

ページ上部へ戻る