メタバースがビジネス領域でも拡張!疑似体験で「経営課題の解決策」に(前編)

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占いフェスや外国人向け日本語教育にも活用

中島氏――宝島以外には、どんなプロジェクトが進行中でしょうか?

北村氏――「メタバース占いフェスin宝島」という1Dayイベントを、クローバー出版と開催します。
人気の占い師・カウンセラー・ヒーラー・チャネラー総勢8名が勢揃いするメタバースイベントです。
会場は、新宿ゴールデン街をモチーフにしたメタバース特設エリアです。
そこに8つのブースを構えて、8人の占い師の方々とお客さま双方がアバターで交流できるようにします。

他には、ベトナムの高度人材の日本語教育を、メタバースOJTという形で行うプロジェクトも進めています。
現実的にはビザ取得の手続きに約4か月かかるのですが、その期間を有効活用するため、ビザ不要でアクセスできるメタバースで研修を行います。
今は、ペーパーテストなどの座学研修が中心なのですが、メタバースであればより実務に近い形で研修ができます。

例えば、居酒屋メタバースをつくり、そこでアバターで接客を体験する。
トイレ掃除やビラ配りを体験するなど、メタバースならではの疑似体験ができます。
今後、インバウンド事業者向けにメタバースOJTによる日本語教育サービスを展開していく計画です。

疑似体験を活用した企業研修のニーズも

中島氏――面白いプロジェクトですね。日本のコンビニも海外に研修施設をつくったりしていますが、メタバースで疑似体験できるのであればローコストで済みそうです。

北村氏――業界の課題はマネタイズなのですが、事業のユースケースをつくることが今は重要だと思います。
彫刻や立体アート、銅像、甲冑など歴史的価値の高いもの、文化遺産などを3Dスキャンして、メタバース美術館・メタバース博物館で展示するのも良いと思います。
空間や立体の疑似体験がメタバースの真骨頂ですから。

メタバースという言葉はすっかりメジャーになりましたが、実際にメタバースを体験したことのある人はまだ少ないので、「メタバースの学校」も広げていきます。
そこでメタバースを体験して、事業担当者が責任を持って社内提案できるようにすることも大切です。
メタバースの学校で個人として体験して、企業向け研修の相談をいただくこともあります。

中小企業の研修も行ってきましたが、「社員に勉強させたい。体験したい」というニーズが多くありました。
大企業の場合は、会社全体で足並みを揃えて取り組む必要があります。
プロジェクトチーム全員が共通の体験値を得るために研修に参加するなど、共通体験したうえでディスカッションしないと、進むプロジェクトも進まなくなってしまいます。

ほかには、証券会社がVIPの顧客向けにメタバース体験をサービスとして提供したり、大企業の人事部もメタバースを研究したり、し始めています。
多くの企業で20代社員の離職率が上がっていますが、その理由の多くは「リモートワークによる孤立」です。
深刻さを増すのは、上下左右の人間関係を構築できないこと。

メタバースを活用することでこの問題を解消できないか?というケーススタディの構築に注力し始めているのです。
経営課題の解決策としてメタバースが検討されるようになったということは、成熟してきた証だと感じています。

出典:マイナビニュース「メタバースが『経営課題の解決策』として検討されるようになった」
この記事は著者に一部加筆修正の了承を得た上で掲載しております。

(この続きは、後編でお届けします。)

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中島 宏明

投稿者プロフィール
1986年、埼玉県生まれ。2012年より、大手人材会社のアウトソーシングプロジェクトに参加。プロジェクトが軌道に乗ったことから2014年に独立。一時インドネシア・バリ島へ移住し、その前後から暗号資産投資、不動産投資、事業投資を始める。現在は、複数の企業で経営戦略チームの一員を務めるほか、バリ島ではアパート開発と運営を行っている。

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