社会課題を解決する新プロダクトの開発~スタートアップラボ
- 2024/9/13
- 事業投資
目次
面接の世界を変える逆転の発想
PortRay株式会社
PortRay株式会社の代表、鹿野翔太です。
社名は、ポートレイト「写真」と「光線」のレイを掛け合わせ、さらに、「PortRay」の大字の「P」と「R」で、「人のことをPRする会社」という意味合いがあります。
さらに、Portのrとtがくっついてhに見えるので、HR(Human Resources)の会社でもあるという、トリプルミーニングです。
キャリアのデータバンクを目指して
就職活動で落ちたことのある人が必ず一度は見る「今後のご活躍をお祈りしております」の言葉。
私たちは、これをなくしていきたい。
弊社のビジョン「就職活動や転職活動自体をなくしたい」に加え、キャリア選択が無限に作れるようなサービスを目指していきたい。
弊社がゴールとしているのが、キャリアのデータバンクを作ることです。
そのために、各企業の面接の評価基準の統一化と、それを利用した人材情報のマッピングという2つのポイントに着目して、企業に属している人がそれぞれどのぐらいの能力があるのかを数値化する仕組みを構築しています。
一度の共通面接で複数の企業への1次面接をスキップ
現在実装しているのが、求職者向けの面接サービス「OSUMITSUKI」です。
共通の一次面接試験を受けてもらい、その結果と各企業の1次面接合格点を照らし合わせることで求職者は企業の1次面接をスキップできます。
1次面接を通過した企業のなかから求職者自身が応募する企業を決めて最終面接を受けるという流れです。
面接を受けてもらった結果をスコアリングさせていただいており、事前に全ての企業の1次面接の選考基準を回収しそこと結果を照らし合わせていきます。
弊社が契約している100社以上の企業の結果が1発で取れるというサービスなので、センター利用のような形ですね。
弊社の面接を受けてもらうことで、希望する企業では最終面接からスタートできるというサービスです。
採用する側の課題を解決
このようなサービスを開発した背景には、面接時間が長いという問題があります。
日本の場合、面接時に自社に合わないことが分かったとしても、企業ブランドやSNSでの評判などを考え、その場で即不採用とすることはなかなかできません。
結局、1人につき60分ぐらいの時間枠で面接するところが多いです。
RPO市場、人事のアウトソースの市場は6年で1.5倍まで伸びてきていて、最近RPO事業系の会社が急速に増えています。
一方、人事の採用スキルが伸びているかというと、全然伸びていないのが現状です。
面接できる人材は限られ、合格にする理由についてもはっきりしない、明確な評価基準もない。
ご自身の会社についても、「きちんと面接ができているか?」と考えなければいけない時期にきていると思います。
現在、「OSUMITSUKI」の検索サービスでは営業職に絞り、年齢が25~30歳ぐらい、年収500~600万円ぐらいの範囲の方に提供しています。
今後どんどん職種と範囲を広げていく予定です。
また、別個に、3社ぐらい応募してもらえると内定が取れるというサービス設計をしていて、これは通常の転職エージェントが携わる6~7倍ぐらいの確率で内定がもらえることになります。
人生設計を丸ごとサポート
求職者が転職を考えたときに、どこの会社に行きたいか、どこの会社なら応募できそうかといった自身の動機にきちんと向き合い、それに見合ったサービスを選んでほしいという願いがあります。
弊社の場合、研修や学習したことなどをベースに、 なぜ面接したか、どんな学習をしたかという今までの自分の積み重ねが、全て結果として返ってくるので、面接のデータが蓄積され、長いスパンでユーザーのキャリア形成に携わることができます。
大手各社の採用に関する広告をよく見かけますが、弊社のサービスは具体的な効果を示して集客できているので、サービスの内容でユーザーに選ばれていると強く感じています。
面接データの蓄積がサービスの長期利用に繋がる
ここまで話したのは人材紹介の部分ですが、前述した通り、面接をしたユーザーのスコアリングをしていくことでデータベースを貯めることが可能になっており、そこからいろいろなサービス展開を考えています。
弊社の評価指標をいろんな会社が使っていること、平均35%の他社に比較して20%という安価な手数料であること、そして契約企業数の多さで先行しています。
さらに、弊社の特性として、いろんな会社の判定が取れるサービス設計になっているので、企業数がかなり重要なポイントになっており、 現在、契約企業が100社を超え、毎月30件ぐらい増えているので来年は600社ぐらいを目標に進めています。
面接結果のデータ収集のほか、取得した人材データを各エージェント企業にAPIで提供したり、企業ごとの仕事のレベルについてのデータが取れるので、採用コンサルや組織コンサルなどのサービスを展開することも考えています。
従来の転職サービスは、転職のタイミングだけでしか使えないサービスでしたが、弊社の場合、キャリアのプラットフォームとして転職サービスを提供し、人生の全てのタイミングで提供できるサービスとして一緒にキャリアを作っていきたい!というのが弊社からのメッセージです。
弊社が契約してもらっている企業では、1人目の紹介で内定を出すケースも多く、採用におけるメリットがリアルな数字として出ています。
▶次のページでは、株式会社PICKが開発した不動産取引の事務作業効率化を図る電子契約サービスについて、代表の普家辰哉氏に語っていただきます。