スモールM&Aから派生したビジネスとは?【白石直之×東川仁③】

中小企業診断士、㈱つながりバンクM&Aシニアアドバイザーとして活躍する白石直之氏。
2017年の独立当初は融資や補助金をメインに考えていましたが、その折、齋藤由紀夫氏のセミナーに出会い、スモールM&Aの道へ。

前回は案件の依頼元や、M&A業務を一緒に行ったり、バックアップしてくれたりする心強い他士業の方々についてお話していただきました。
今回はM&Aだからこそ依頼される様々な業務、そして白石氏必須の仕事道具や役に立つ情報源を細かく教えてくれました。

株式会社ネクストフェイズ編集部と同社代表の東川仁氏による軽快なインタビューシリーズ第3弾!

スモールM&Aは出来る仕事も幅広い

白石  今回のインタビューの冒頭でお話ししたとおり、中小企業診断士として独立した当初は、融資や補助金サポートを中心にやっていこうと思っていたんです。(第1回目の記事を読む)
でも今こうしてスモールM&A中心になってから、融資や補助金サポートの依頼が来るようになりました。

編集部(以下省略)  しかし今はもう。

白石  ほとんど手がけていません。ほか、CFOになってほしいとの依頼もありました。

――  CFOって!

白石  それも結局、出資先開拓と融資サポートだったんですけどね。「KPI設定や融資、要するに資金調達全般をちょっと手伝ってほしいんだけれど、肩書があった方が動きやすいでしょう」とのことで、一時的にその企業のCFOとして動いていたこともありました。

――  ほかにスモールM&Aをしながら、別件の依頼は?

白石  実は今、少数株式の買取サービスも行っているんです。会社のプロフィールページにも「株式100%化コンサルティング(少数株主との折衝)」と記載しました。

――  どんな経緯で。

白石  これも、「M&Aに近いからやれるよね?」って言われて。でもM&Aより、さらにニッチなんですよ。ひとりでは対応しきれないので、M&Aを介して知り合った弁護士や、交渉のプロと新しくサービスを作りました

――  少し説明していただけますか。

M&Aだから出来た新しいサービスの立ち上げ

白石  一般的な話をしますと、少数株式って、たいていオーナーの家族とか親戚とかが保有しています。たくさんではなく数株持っている程度なんですが、たとえば事業承継のときにオーナーが親族外に替わると、少数株主は現金化したがります。でも会社にそんな余裕はない。満足のいく単価は出せないし、コンサルタントに依頼したら、単価の半分近くのフィーを取られます。

――  (ふむふむ)

白石  そもそも、この少数株式の買取サービスを提供しているところがほとんどない。弁護士事務所さんくらいでしょうか。ところがいざ買い取ってもらっても、株単価が非常に安くなってしまう。そこで、「いったんM&Aとして他者・他社に買い取ってもらいましょう」と。M&Aならある程度の単価が出せて、少数株主にも現金を渡すことができる、というスキームを作ったんです。

――  少数株主、買い手側、両者に喜ばれそうです。

白石  はい、おかげさまで、依頼は順調です。

●「スモールM&Aの仕事をしていると、アイデアがどんどん湧いて、人とのつながりも広がり、自分でも起業したくなります。スモールM&Aアドバイザーって、どの職種よりも、いちばん起業しやすい立場じゃないかなあ…」(白石さん)

 

私の仕事の必需品

――  士業さんによくお尋ねするのですが、白石さんの仕事必携アイテムもお聞きしましょう。

取引先にいただいた仕事が「できる」アイテム

白石  売り手社長からいただいたペンです。契約時に100円ペンを出してしまったので、いいものをプレゼントでいただきました。

東川  ちょっと恥ずかしい(笑)。

白石  さらに恥の上塗りになりますが…。社判を押すときの朱肉、弊社の代表もあんまり気にしなくて、コンビニで売ってるようなものを出したんですけど、それを見かねて立派な朱肉を1セットいただきました。

東川  僕、前に金融機関で働いていたとき、不動産取引によく立ち会いました。で、お金貸すときって僕ら銀行員は売り手や買い手の事務所まで行って、書類確認して、司法書士の先生がOKって言ったら振り込んだり小切手渡したりするんです。そこで僕が普段持ち歩いているプラスチックの朱肉を出したら、取引先に怒られて。

白石  怒るんですか。

東川  「億単位の取引をするのに、なんやこの安っぽい朱肉は」みたいなこと言う人、いてはるよ。

白石  僕、怒られなくてよかったです…。

白石さん愛用のディプロマットのペンと、高級感のある朱肉と捺印マットのセット。
どちらも取引先にいただいたもの

――  みなさん、高額取引のとき、ペンと朱肉はいいものを使いましょう。ほかには。

白石  エクセルのピボットは必須です。これがないと総勘定元帳をみることができませんから。
――  エクセルにこんな機能があるとは知りませんでした。ほか、よく見る情報サイトは?

 

情報のアップデートにおすすめの情報サイト

白石  M&Aについてだと、山田コンサルティンググループ株式会社さんでしょうか。近ごろは不動産M&Aなども、節税面も含めて手堅い手法で携わっておられるんですよ。しっかりした作りのサイトだと思います。

――  ほかには。

白石  M&Aとは関係ありませんが、中小企業庁のメールマガジンは、タイムリーに補助金などのお知らせが来るので、登録しておくと便利ですよ。私は社長との話のネタによく利用させていただいています。

――  話題づくりに。

白石  「今度こんな補助金が始まりますね」とか、「税理士にこれ詳しく聞いておくといいですよ」とか。新型コロナ融資の対象になるとわかった企業には、資金繰り表とかの資料のフォームぐらいは私も手元にあるのでお送りし、「この部分を埋めて相談に行ってみては」といった助言くらいでしょうか。

――  ほかの情報源は。

白石  いいなと思うのは、フランチャイズチャンネル。動画もよくできていて、見るだけでも面白いです。

――  情報源としてYouTubeをおすすめいただいたのは初めてです。

白石  今、増えていますしね。M&A系も、YouTuberがちょっとずつ出てきていますよ。そうだ、M&A系なら、建設M&Aチャンネルの「会社を売りたい会社を買いたい」もいいですよ。

東川  建設とくれば、行政書士が強いやろなあ。ぜひ一度見てみてほしい。

白石  僕もやりたいと思っているんですよ、業界特化。ひとつの業界にフォーカスしたYouTubeチャンネルを作って…。

東川  情報が集まってくるようになるよね、M&Aで業界特化すると。専門化すると強い。

白石  その点は僕もセミナーで強くお話ししたいところです。8月に行ったセミナーでは…。

次回第4回は、「白石さんならではのセミナーの特色は?」です。お楽しみに!

出典:株式会社ネクストフェイズ白石直之中小企業診断士インタビュー記事
全5回<士業にスモールM&Aへの参画をすすめる理由は?>【3】 「スモールM&Aを入り口に、他の業務の依頼が入る」

この記事は著者に一部加筆修正の了承を得た上で掲載しております。

東川 仁
株式会社ネクストフェイズ代表取締役
一般社団法人融資コンサルタント協会代表理事

投稿者プロフィール
2002年、渉外・融資担当として13年勤めた地域系金融機関を退職後、資金調達コンサルタント・経営コンサルタントとして独立。
以来、30年以上、延べ3000人以上の経営者に対して資金調達コンサルティングを行ってきた。

独立後、職員に対するセミナー・研修・講演を行った金融機関は全国50以上。
「近代セールス」で、2010年より銀行職員向けの記事を連載中。
2016年に一般社団法人融資コンサルタント協会を設立。
融資に役立つ研修、業界の最新情報、顧客獲得に有用なツールを提供するなど、融資に強い専門家の育成に励んでいる。
中小企業への直接サポートや士業・コンサルタントを通した融資指導は年間500件以上。
うち「創業」関連は年間350件以上のアドバイスを行っている。

白石 直之
株式会社つながりバンク
シニアM&Aアドバイザー 中小企業診断士
日本外部承継診断協会/理事

投稿者プロフィール
2005年早稲田大学卒業後、世界最大の半導体マイコンメーカーの戦略企画部にて製品企画に従事。
2016年、中小企業診断士登録。再生案件に従事して、2017年より株式会社つながりバンクと協業開始し正式入社へ。
現在は年間約10件もの成約をこなしながら経験を積む。

得意分野は、障害福祉・パチンコ店・宗教法人。争う相続問題の1つである、少数株主の買取サービスも行う。
MDRTなど保険パーソン向けセミナー、横浜青年会議所でのセミナーなど講師経験も。

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