売上を倍増する!価値を創出できる自立型人材育成の秘密
- 2022/7/21
- 経営全般
企業に属し、その労働対価として、会社からの正当な評価と納得の給与を望むのは当然のこと、と私たちは考えがちです。でも、給与の増え方やボーナス額には企業間に大きな差があって、不公平感は否めません。この労働対価について、感情論ではなくロジカルな数字の問題として捉え、どう働けば納得のいく対価を得られるのか、わかりやすく解説してくださるのが株式会社スタートアップウェイ代表の経営コンサルタント大橋弘子さんです。社員向けの「お金の勉強会」も開催する大橋さんが、お金の話を避けない人材育成が経営改善に繋がることを解説してくださいます。目から鱗のロジックが早わかり!必見です。
目次
「うちの社長はケチだから」で終わせらないために
私は、前職でFPとして活動するなか、
ありがたいことに社内トップの営業成績を
維持し続けることができていました。
しかし、ある年末に、
勤務先から交付された源泉徴収票の年収額を見て、
「これしかもらえないの?なぜ?」と、
疑問を抱きました。
こんなに頑張って会社に貢献しているのに…
正当に評価されていないんじゃないか…
と思ったのです。
企業で働く社員さんの中には、当時の私と
同じ気持ちを抱いている方も少なくないでしょう。
なぜ、そうなるのか?
社長は、社員さんの報酬額の理由を説明しないし、
実のところ伝え方もわからないというケースが
ほとんどだからです。
結果、「うちの社長はケチだから」と
結論付けされて、社員さんが不満を抱えるだけで
終わってしまっている会社も多いのです。
立場の違いが生む「情報格差」の解消
社員さんは、
会社に利益が出ているならもっと
ボーナスを出してほしいと思う。
社長は、
払ってあげたい気持ちはやまやまだけれど、
利益が出ているからといって全て社員さんに
還元するわけにはいかないと思っている。
私は、コンサルタントという立場上、
社長と社員さん両方の言い分がわかります。
そして、第三者だからこそできることがあります。
給与が上がるメカニズムを知る
社長と社員さんの立場の違いは
「情報の格差」を生みます。
私は両者の間に立つ第三者の立場で、
社員さん向けの「お金の勉強会」を行い、
この格差を埋めています。
ある顧問先で実際にあった話です。
ある年、社員さんへの冬のボーナスを、
社長の個人資産から払いました。
社長には、
「冬のボーナスがないんじゃ、
社員さんの士気も上がらないだろうし、
それで辞められてしまっては困る」
という思いがあったからです。
しかしこれは、健全な状態ではありませんね。
ボーナスの基準は何か?
そもそも、会社がボーナスを
社員さんに払える基準は何なのでしょうか?
そこの情報開示が必要です。
社員さん向け「お金の勉強会」では、
- お給料は、会社の人件費や福利厚生費から出ている
- 人件費は粗利の中から出ている
- つまり、粗利が増えれば、
人件費が増え、給料が増える。
そして、ボーナスも支給される。 - 自分のボーナスを増やすためには、
粗利の達成→売上目標の達成が必要である。
という4つの流れを説明し、情報を開示します。
会社のお金の状況は、
ほとんどの社員さんにとっては、他人事。
しかし、自分の収入が会社のお金のどこから
生まれているのかを理解してもらうことで、
会社の売上や粗利が増えることを、
自分事として捉えられるように導きます。
社員さんの理解が会社の売上を向上させる
<社員の理解>
勉強会では社員さんが、以下の内容を理解できるように導きます。
- 会社のお金の流れ
シンプルな図を描くだけで把握できるようになる - 会社のもうけの仕組み
決算書から(「お金のブロックパズル※」にある)
7つの数字を抜き出して図に入れるだけで、読み解ける - 売上目標の立て方
自分自身で納得できる根拠のある目標数字を立てる - 達成したらどんないいことがあるのか
- 粗利を上げることの重要性
これを理解することで安易に値下げしなくなる
※ (一社)日本キャッシュフローコーチ協会が提唱するお金の流れを把握する図表
<経営者の成果>
以上の内容を社員さんがきちんと理解すると、
経営者は、次の5つの成果が得られます。
- 社員さんに経営参加を促すための
経営情報公開方法の理解 - 目標達成を主体的に取り組める社員さんの醸成
- 社員さんの採算意識の高まり
- 社長と社員さんの立場の違いによる「情報格差」の一部解消
- 粗利率を上げる付加価値向上への意識・動機付け
狙いは給与に対する考え方のマインドセット
給与は、当たり前にもらうものではありません。
給与は、社長であれ社員さんであれ、
自分が働いて生んだ価値の一部です。
つまり、自分たちの給料は、
稼いだ粗利が元になっているということ。
どれだけ活躍したら、どれだけもらえるか?
そのメカニズムは決まっているので、
給与が欲しい人は、給与を上げてくださいではなく、
どんな活躍の仕方をしたら、給与が上がるのか?
これを一緒に考えていきましょう。
と、お伝えしています。
そして、粗利、利益改善のため、社員さん一人一人が
具体的な行動へ落とし込みができるような施策を考えていきます。
例えば、以下のような施策です。
- 月次で主要な経営数字を幹部社員と共有
- 原価検証・原価会議の実施
- マンチャージ、マシンチャージの測定
- 客数・客単価・リピート率向上の
アイデア出し・営業ミーティングの開催- 商品・バリューチェーン
ルーティン業務等の改善提案- 社員一人一人が自分の仕事の価値の
言語化リスト作成- 社員のライフプラン(ビジョンとお金)を描き
会社のビジョンが重なる部分を見つける等です。
▶次のページでは、自立型人材育成のために経営者が持つべき心構えについてお届けします!