【書評】売れる仕組みづくり!現状とゴールとの構造的ギャップを解析
- 2023/2/21
- 書評
目次
潜在ニーズの掘り起こし
常に顧客の利便性を考え、顧客の期待以上のものを生み出さなければ、なかなか買ってはいただけません。このような顧客の心の中にある本音(インサイト)を見つけることができれば、大きな差異化ポイントになります。
顧客の課題を見つけることが難しくなっています。
そのため、顧客の潜在的なニーズを探し出し、その解決策を同時に行うプロダクトマーケットフィット(PMF)が重要です。
ベンチャー企業は永遠のベータ版という考えで、絶えずプロダクトを改善し、キャズム理論※に則って顧客を変化させています。
この考えを真似し、マーケティングを変化させていくのです。
※革新的商品やサービスが市場でシェアを拡大するには超えるべき「深い溝(キャズム)」があるとする理論。アメリカのマーケティング・コンサルタント、ジェフリー・ムーアが提唱した。
ファンとの関係構築
顧客に発見され購入してもらい、その顧客体験を高めていくことによって、リピーターや熱狂的なファンが生まれます。
カスタマージャーニーを設計し、彼らとの関係を築くことがマーケターの仕事なのです。
ファンはブランドへの行動と態度という2種類の「ロイヤルティ=忠誠心」を持っています。
①行動のロイヤルティ・・・リピートしてくれる
②態度のロイヤルティ・・・いいクチコミ・レビューをしてくれる
ファンを増やし、彼らの力を借りることで、新たな顧客に見つけてもらえるようになり、マーケティングコストの低減がはかれます。
成長している企業は顧客だけでなく、PRを活用しメディアもファンにしています。
価値提供のためのコミュニケーションデザイン
以下の視点でカスタマージャーニーを作ります。
①顧客がニーズに気づき購買・契約するまでの行動と心理を想定する
②その各フェーズで抱えているであろう課題や不満、あきらめや妥協を分析する
③自社には何ができるのか?
顧客のペルソナごとにカスタマージャーニーを作ることで、コミュニケーションの手法が変わります。
自社の提供価値をそれぞれのペルソナごとに考え、コミュニケーションをデザインします。
私は自身のクライアントに対し、顧客のペインワードを考え、その解決策を提示することを求めます。
ペインワードを明確にし、PR(記事露出)とGoogleのアルゴリズムを活用しながらマーケティングを設計するのです。
メディアの役割が変化し、情報入手の方法が多様化するなかで、コミュニケーションの設計にも工夫が求められています。
いくつかのコンタクトポイントで自社の情報に接してもらうために、カスタマージャーニーを精緻化しましょう。
ペインワードを提示したメディアでの露出→ペインワードでのSEO→LPO(ランディングページの最適化)→EFO(エントリーフォーム最適化)で購入率をアップさせるのです。
SEOやLPOだけでなく、エントリーフォームの改善にも取り組みましょう。
売れる仕組みで売れない状況を打破する
「売れない問題」を解決するためには、以下の3つの力を組み合わせることが重要です。
・現状を打破し新しい発想を生む力
・顧客の本音を知る顧客力
・組織メンバーが一定の成果を出せる仕組力
マーケティングの本質である「売れる仕組み」とは、
①あなたの会社の製品やサービス(何)を=「差異化されたプロダクト」
②必要とする人たち(誰)に向けて=「的確なターゲット設定」
③どうやって買ってもらうか=「顧客とのコミュニケーション」
上記の順に3ポイントでの戦略を立てたうえで、計画を確実に実践しましょう。
マーケターだけでなく、チームで仕組みに取り組んで、はじめて成果につながります。
競争が激化し、顧客のニーズが大きく変わる中で、結果を出すことが難しくなっています。
組織全体で問題意識を共有して、目指すべき方向をすり合わせ、力を結集しましょう。
結果、顧客体験を高められるようになり、売上アップが実現します。
詳細な事例がPTCモデルの効果を実証していますので、本書をぜひ、ご一読ください。
徳本氏の著書「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
出典:売れない問題 解決の公式(理央周)の書評
この記事は著者に一部加筆修正の了承を得た上で掲載しております。