私たちは売りたくない! “危ないワクチン”販売を命じられた製薬会社現役社員の慟哭(チームK)の書評
- 2024/9/30
- 書評
企業の不正等を告発する本は枚挙に暇がありませんが、製薬会社の現役社員による内部からの警告本となると、私たちひとり一人に深くかかわる内容だろうということが想像できます。2024年9月発売の『私たちは売りたくない! ”危ないワクチン”販売を命じられた製薬会社現役社員の慟哭』は、ワクチンの内部事情に精通する製薬企業の社員たちが『チームK』として執筆したものです。キャリアを失うリスクを負ってまで彼らを突き動かしたのは、コロナワクチン接種直後に起きた同僚の死でした。株式会社つながりバンク代表の齋藤由紀夫が書評いたします。
私たちは売りたくない! ”危ないワクチン”販売を命じられた製薬会社現役社員の慟哭
チームK(方丈社)
目次
本書の要約
製薬業界に激震が走っています。
日本最大のワクチン販売企業であるMeiji Seikaファルマ株式会社の社員グループが、匿名で『チームK』と名乗り、衝撃的な内部告発本を出版しました。
本書『私たちは売りたくない! ”危ないワクチン”販売を命じられた製薬会社現役社員の慟哭』は、ワクチン開発と販売に携わる当事者たちが、自社製品の安全性に疑問を呈し、陰謀論や暴露本とは違い、公開情報をベースにあくまで冷静かつ客観的に新型コロナウイルスワクチンと今後導入予定の「レプリコンワクチン」に関する警告を発しています。
発売と同時にAmazon総合1位となりましたが、現在、入手困難な状況となっています。
一人でも多くの日本人に読んで欲しいという著者や出版社の想いが伝わる内容でしたので、Z-ENで取り上げてみました。
同僚の“死”が告発のきっかけ
著者たちが本書を執筆した動機は、同僚であり優秀な若手営業マンである影山晃大氏がワクチン接種後に急死したことがきっかけでした。
彼らは、この悲劇を無駄にせず、ワクチンによる薬害を防ぐことを目的としています。
今回、日本で販売推進される自己増幅型mRNAワクチン(レプリコンワクチン)は、開発国であるアメリカや、先行治験国では認可されておらず、なぜか日本が先行して認可、推進が決まりました。
世界のどの国もまだ承認していない、全く新しいタイプのワクチンであり、初めて人間に対して使われる製品です。
日本国民を危険に晒し、壮大な治験の場を提供していると批判されても仕方がありません。
ワクチンを推進したいからこそリスクを許容しない
著者たちは、反ワクチン派ではありません。
むしろワクチンを推進してきた立場から内部事情を知る者として、以下を主張しています
- 今後のワクチン接種には注意が必要であり、接種しない方が良いワクチンが存在する。
- 2024年秋に発売予定の「レプリコンワクチン」には、安全性に多くの懸念がある。
- 新型コロナワクチンの副反応報告が相次ぐ中、従来のワクチンとは異なる影響が見られ、厚労省の「健康被害救済制度」における認定死亡者数も、健康被害総認定件数も日々増加している。
- mRNAワクチン技術の迅速な開発と導入には、長期的な安全性評価が不足している。
- 大半の医師はワクチンの専門家ではないし、ワクチンについて詳しくない。薦めた医師に責任は取れない。自分自身でワクチンについて学ぶ必要がある。
- 製薬企業の社会的責任と透明性の確保が急務である。
ワクチン開発から販売までには、従来10~15年かかるのが常識で、厚労省はそのスタンスの厳しさについて批判されてもきました。
人間の命にかかわることなので当然ですが、その常識が大きく崩れているのです。
mRNAワクチン技術の安全性への疑問
本書は、mRNA技術の開発から実用化までの過程を詳細に分析し、迅速な開発と導入が長期的な安全性評価を犠牲にしている可能性を指摘しています。
著者たちは、科学技術の進歩があっても、未知のリスクは許容し難いものであるべきだと主張しています。
レプリコンワクチンの潜在的リスク
そもそも新型コロナワクチンとは、従来の「生ワクチン」「不活化ワクチン」と何が違うのでしょうか。
従来は、はしかや風疹の病原体そのものや、インフルエンザのように病原体の毒性を弱くしたものを人体に打つことで抵抗力をつけ免疫を獲得するものです。
人体の免疫力に活躍してもらうため、イメージしやすいです。
一方の新型コロナワクチンは、そもそもの仕組みが違います。
mRNA(メッセンジャー RNA)という人工的につくられた遺伝子情報を投与し、体内で感染、発症を抑えるタンパク質を生成するものです。
我々素人には、その仕組みを詳細に理解することは難しいですが、遺伝子操作による明らかに未知のものであることだけは理解できます。
有害率の高さは2021年に公開
実は、ファイザー社は2021年の時点で、新型コロナワクチンの1291の有害事象のリストを公開しています。
引用:いけのり通信
このような情報は、マスコミやメディアで報道されることはありません。
これらの事実、情報を知ったうえで接種した人がどれだけいるのでしょうか。
さらに、2024年秋に発売予定の「レプリコンワクチン」は、少量で強力な免疫反応を引き起こすことが期待される一方で、著者たちは安全性に関する深刻な懸念を表明しています。
特に「シェディング」の問題、つまりワクチン接種者から分泌される成分が未接種者に悪影響を及ぼす可能性について警鐘を鳴らしています。
シェディングについては、有識者でも意見が分かれるようですが、情報として知っておいた方が良いかもしれません。
社内の葛藤と従業員のモラル
著者たちは、自社製品の安全性に疑問を持つ社員としての葛藤を赤裸々に描いています。
彼らは、レプリコンワクチンの推進が会社の評判や従業員のモチベーションに悪影響を及ぼす可能性を指摘し、経営陣に対して真剣な再考を求めています。
会社や経営陣への単なる批判ではなく、明治グループ社員としての愛社精神を感じます。
上場企業として収益を上げることは当然ですが、企業倫理と社会的な責任とのバランスを説く重要な視点を提示するものです。
他方、経営層は、このような内部からの警告を真摯に受け止め、オープンな議論の場を設ける必要があります。
従業員のモラルと企業文化の維持は、長期的な企業価値の向上に不可欠です。
本書の意義と影響
本書は、製薬業界の内部から発せられた警告として、極めて重要な意義を持ちます。
以下の点で、業界全体に大きな影響を与える可能性があります:
- ワクチン開発と安全性評価のプロセスの見直し
- 製薬企業の透明性と説明責任の強化
- 医療従事者と一般市民のワクチンに対する認識の変化
- 製薬企業の従業員のモラルと企業文化への影響
- 国の薬事行政と製薬企業との関係の再考
会社の製品に疑問を持つ従業員の葛藤を鮮明に描いている点で、社会的価値の高いものと言えるでしょう。
安全、信頼、透明性の確保が責務
『チームK』による本書は、製薬業界に激震を与える内容です。
しかし、この衝撃を単なる批判や非難として受け止めるのではなく、業界全体の改善と発展のための貴重な機会として捉えるべきです。
経営層は、本書の指摘を真摯に受け止め、より安全で信頼される製品開発と、透明性の高い企業運営を目指す必要があります。
同時に、本書が提起する問題は、製薬業界だけでなく、医療政策や公衆衛生行政にも大きな影響を与える可能性があります。
政府や規制当局との建設的な対話を通じて、より安全で効果的なワクチン開発と供給のシステムを構築していくことが求められます。
最後に、本書は製薬企業の従業員が持つべき高い倫理観と社会的責任感を示す貴重な証言でもあります。
経営層は、このような誠実な声に耳を傾け、従業員と共に成長する企業文化を育むことで、長期的な企業価値の向上と社会への貢献を実現することができるでしょう。
出版元である「方丈社」は、2016年設立の小規模出版社です。
大企業グループ、更には国を相手にタブーな領域に踏み込むことへの葛藤もあっただろうと思います。
また、著者『チームK』の方々も、解雇や訴訟リスクを承知で出版に踏み切ったと想像します。
発売間もないですが、Amazonレビューには1000件近いコメントがついており、様々な感想が記載されています。
さらに興味持たれた方は、本書を読まれては如何でしょうか。
私たちは売りたくない! ”危ないワクチン”販売を命じられた製薬会社現役社員の慟哭
チームK(方丈社)