トップが率先して学び行動することが、理念を社内に浸透させ、人を育む
- 2022/11/22
- コラム
全社員が意識し、実践することを目指して掲げている自社の経営理念。言葉として反芻し、理解していても、いざ「実践しているか」というと心もとない企業も少なくないのではないでしょうか。「社員はもちろん、社長や幹部が実践してこその経営理念」と考えるチームエルの皆さんが、11回目のコラムで理念を社内全体に浸透させるため重ねている工夫と行動についてご指南くださいます。
目次
社長や幹部にこそ求められる自己研鑽
「社長、明るくなりましたねー」
とは、ある当社社員から言われた言葉です。
私を含む役員と幹部陣は先日、ある研修を受講しました。
その研修とは、「内観研修」といって、上司、部下、自分自身にそれぞれアンケートを取ってデータ化し、自分自身の日常の行動について360度評価を受けるものです。
その内容をもとに行動改善すべき課題を抽出し、自己革新につなげることができます。
その話をクライアントの社長様にお話ししたところ、「それって幹部向けの研修ですよね。社長もそんな研修受けるのですか?」との声を複数いただきました。
もちろん、当社では社長や役員でもそうした教育は受けますし、むしろ率先して受けています。
学びの実践が経営理念を浸透させる
当社の経営理念に「謙虚に学ぶ姿勢を持ち続けよう」というものがあります。
これを組織全体で実践するためには、役員・幹部らが率先してその姿勢を示し、実践していく必要があるのです。
ですから、当社では、前述の研修のほかにも、リーダーシップ開発研修を実施したり、あるいは、幹部陣が自主的に自社の行動規範集を作成して全社員向けに勉強会を実施したりと、成長を促進させるための「学び」が日常的に行われています。
経営理念は自社社員や組織のありたい姿、求める姿を明文化したものであり、この実践によって理想に近づいていることを実感しています。
こうして理念が浸透していく過程の実際を、今回はお話ししたいと思います。
「理想の姿」を示して新入社員の定着を高める
自社に経営理念を浸透させる活動は、現社員が理想の姿に近づいていく活動であると同時に、これから採用する社員の「定着率」にも大きく影響します。
考えると当たり前のことで、経営理念に共感した人材を採用するのであれば、その人材が入社時にイメージしているのは、経営理念が浸透している会社です。
では、入社後に教育する上司や先輩社員が理念に沿った行動をしていなかったら、どう感じるでしょうか?
「入社前のイメージと違う・・・」
そうなると、当然ですが定着率は下がってしまいます。
よって、経営理念の浸透は現社員と将来社員になる人、その双方にとって非常に重要なのです。
理念浸透に役立つケーススタディの実践
では、当社でも実践しており、クライアント企業様にもおススメしている経営理念の浸透活動をひとつご紹介します。
ケーススタディによる理念行動のすり合わせ
手順①
実際に起こり得る(過去に発生した)事象をケースとして設定する
手順②
部門・チームで集まり、そのケースに対して理念に照らし合わせて、取るべき行動を考え、一人ひとり発表する
手順③
どの発表内容も否定することなく、部門長・リーダーによって示される企業としての取るべき行動とのすり合わせを経て、今後、同様のケースが生じた際の指針にする
例えば、当社のケーススタディでは、「導入いただいた商品・サービスをお客様が100%正しく利用いただいたにも関わらず、全く成果や効果がないため、返品の要望があった場合、当社としてはそのお客様に対し、どのような対応をするか?」を考えました。
当社が掲げる「関わる全ての人に誠実である」という理念に沿って行動を考えます。
「仮」の想定で議論し、行動をブラッシュアップ
実際に今、目の前に起きている問題に対し、理念に沿う考え方・行動を検討するのも良いですが、即解決しなければいけない時間的な制約がある場合など、さまざまな制約条件が発生する場合があります。
ケーススタディであれば、あくまで「仮」のケースなので、リスクや実害がなく、遠慮なく意見や考え方をすり合わせ、理念行動を磨くことができます。
事象に対する考え方・具体的な行動を議論し、企業としての正しい考え方・行動を示し、実際の行動に変えていく活動の積み重ねが理念浸透につながります。
▶FC「自己研鑽」を社員に求めつつ、チームエルでは、まず会社のトップが率先して範を示しているということで、「理想の姿」を体現するために気をつけるべき考え方も大変参考になるポイントです。続いては、新入社員と“先輩たち”との関係性についても深掘りしてお伝えくださいます。