トップが率先して学び行動することが、理念を社内に浸透させ、人を育む
- 2022/11/22
- コラム
目次
先輩社員は指針を実践しているか?
「ルールを守れと言うけれど、上の人間がだらしないじゃん…」
「朝礼で理念を唱和しているけど、何か意味があるの?」
このようなことをもし社員が思っていたら・・・。
もし思い当たる節がある場合は、社員の理念行動や定着においてリスクが高いと言わざるを得ないでしょう。
そうならないためには、自社の正しい行動とは何かという指針を明確にし、上司が率先して行動で示すことによって、具体的にとるべき行動を社員がすぐに理解できる仕組みを整えることが重要です。
若手社員からすれば、先輩社員が指針通りに行動しているか、尊敬できるかどうかが会社に対しての信頼に繋がり、会社への定着を左右します。
そのため当社は、前述のように社長や役員が率先して研修を受けたり、一人ひとりが思考を深められるケーススタディを実施したりと、多彩なカリキュラムに取り組んでいます。
「お手本」社員の存在がカギ
上記を踏まえてクライアント企業様にもご指導させていただいておりますが、以前「評価制度は賃金分配制度にあらず!わかりやすい評価で人を育てる」でも紹介させていただいた自動車の販売・整備を行っている富山県の企業様の事例を別の視点でお伝えします。
2022年現在、12名の従業員のうち9名が20代という企業様ですが、入社の経緯は新卒や社員からの紹介などさまざまです。
ただ、入社の決め手として、「会社の雰囲気が明るく、楽しそうな職場という印象だった」という点が共通しています。
この好印象な雰囲気を作ることができている理由には、勤続5年が経過しているある社員の存在が挙げられます。
後輩のお手本になっているこの先輩社員は、普段の業務においてはもちろん真摯な姿勢を備え、新卒の学校見学の案内を担当して学校側から新卒の方々を送り出しているほか、彼らが友達に紹介したいと思える会社づくりに貢献しています。
トップの発言と行動が社員の成長を促す
ではなぜ、会社を明るく楽しい雰囲気にできて後輩からも目標とされるような社員が育っているのでしょうか。
もちろん、その方個人の能力もありますが、会社の代表である社長自身が大事にしている価値観をきちんと社員に伝え、自ら率先して行動で示していることも大きく影響しています。
社長自らが、常にどんな状況でもポジティブな考えを持ち前向きな言動と行動を示すことで経営理念を体現して社員に浸透させることができているのでしょう。
また、その社長からこんなお声を頂戴しました。
「理念や評価する行動を明文化したことで自社に合う人材を探しやすく、また、正しく指導ができるので、社員からの納得を得やすくなった」
昨年、ご自身の価値観を明文化したことで、人材募集の際にもそれを発信でき、増えた社員の教育にも対応できるようになったと、喜んでおられました。
トップが自ら率先して行動することや、どんな行動を期待されているか社員が理解できるように具体的に示すことが、社員の成長や定着に繋がります。
もし組織に問題を感じる場合は、これらの点に不足がないか、見直してみてはいかがでしょうか。
前回コラム「部下が、あなたに一番聞いて欲しいことは?〜人材育成は『知る』ことから」はこちらからご覧ください。