農業体験×食育×農家支援でESG経営に取り組む(前編)
- 2021/4/12
- インタビュー
目次
日本の農業・農家を支える仕組みづくり
スーパーでは、圧倒的に安い外国産の果物を買えるのですが、国産のものを食べてみると、やっぱり美味しいですし、できれば果樹園直送のものを食べてほしいんです。
そうすれば、鮮度の違いを実感してもらえると思います。
例えば、房からポロっと実が落ちるブドウはかなり傷んでいるブドウです。
スーパーに並んでいるものは、正直そういうものも多いんですよ。
果樹園の直売・直送であれば、新鮮ですからそういうことはありません。
本当の美味しさを体験していただけると思います。
「農業や農家の現状を伝えること」「農家の方々が安心して栽培に取り組める環境をつくること」「農家を応援してくれるファンを増やすこと」に注力して、農業をもっと身近なものにすることが自分の使命だと感じています。
1年間1本の木のオーナーになれる「マイクロオーナーサービス」
――マイクロオーナーサービスという独自商品も特徴的で面白いですね。どんなサービスかご紹介ください。
安藤氏――マイクロオーナーサービスは、「果物+果樹園体験をまるごと味わえる」をコンセプトにしています。
年2万5000円~で、1年間、みかんや柿、マンゴーなどの1本の木のマイクロオーナーになれるサービスです。
期限が決まっているので、「マイクロオーナー」としています。
マイクロオーナーになると、オーナーカードが発行され、農園の見学や収穫体験ができます。
また、毎月成長レポートが届くので果樹の状況もわかります。
日々の手入れは農家のプロが代行しますので、オーナーサイドで作業が必要になることはありません。
収穫されると、20キロ程度の果物の他にジュースなどの加工品も届きます。
ご友人などにプレゼントとして贈っていただくことも可能です。
オーナー限定で年2~3回、肥料撒き、間引き作業、摘花、摘果などの体験イベントも企画しています。
――どんな方々がオーナーになっているのでしょうか?
安藤氏――小学校低学年のお子さんをお持ちのファミリー層の方々が多いですね。
収穫時期になると、ご家族で遊びに来てくださいます。
やはり、農業を通じて食育をしたいというニーズがありますし、アクティビティとして楽しんでいただくニーズも感じています。
また、農園は広いですからお子さん以外にもワンちゃんを連れてお越しになる方もいらっしゃいますね。
「ドッグランをつくってみようか」という話も農家の方としているところです。
7割ほどは果樹園の周辺にお住まいの方ですが、都内や関西から来てくださるオーナーの方々もいらっしゃいます。
今後は、個人のオーナーだけでなく、企業にも展開していきたいと考えています。
「ワーケーション」が浸透しつつありますが、オンライン会議が続いたり、外出が制限された都心での生活が続いたりすると、やはりストレスも溜まってしまいます。
飲みに行ってストレス発散というのも以前のようにはできませんから、月に数日だけでもワーケーション的に果樹園で自然に触れていただくのもよいのではないでしょうか。
IT系の企業など、自然と触れ合うことから遠い職種の方々にぜひ利用していただきたいですね。
すでに大手企業の福利厚生としてご利用いただいている実績もありますから、今後はBtoBにも力を入れていきたいと考えています。
(後編に続く…)