音楽で人と人を繋ぎ平和の礎に(後編)
- 2021/10/22
- インタビュー
新規コンクール開催に向けて
――今後の構想を教えてください。
福田氏――やはり一番ウエイトが大きいのは、ピティナと連携した東音企画の資本拡大ですね。
ほかは、今回新しくポーランドから依頼され、ショパンを含むポーランド作曲家の曲を課題にしたコンクールの開催を企画・予定しています。
その他、東音企画主催のコンクールを別途、開発したいと思っています。
ピティナ・ピアノコンペティションの予選の参加人数は3万人くらいですが、1人2回受けるケースが多いので、実質人数は2万2千人くらい。
東音企画主催のコンクールの参加者の数が、ピティナのコンクールの参加人数に追いつく日も近いと予想しています。
事務代行から始めてピティナばかりをやってきましたが、新規事業という意味では今後、東音企画中心になるのではと考えています。
子どもたちの未来に音楽の光を
――最後に、今後やってみたいと思われていることを教えてください。
福田氏――まずは、ピアノ指導者の平均年収を引き上げることが目標です。
少なくとも400~500万円くらいまでにはしたいですね。
あとは、学校教育と徹底的に連携して中枢に入っていくことです。
学校が軸になるとは思いますが、民間教育でやったことが学校の中にも学習ポートフォリオとして管理されるという仕組みです。
既存のシステムをそのまま学校に卸すという方法もありますが、それとは別に連携させていくものだと思っています。
今は個人情報の管理が非常に大変なので、国のIDなどを活用していけたらいいですね。
教育格差の問題も、民間教育の方に国がお金を出すという施策で解決しないといけないと思います。
昨年の1人10万円支給する施策にしても、簡単で分かりやすい反面、子どもの教育に充てられるかと言ったらあまり期待できないですよね。
そうすると結局バウチャーにするしかなくなって、地方自治体の対応がものすごく大変になるんですね。
その辺をトータルで考えないといけない。
地方自治体に負荷をかけずに、給付されたお金がちゃんと子どものために使われるように、そして、貧困家庭にきちんとサポートが行き渡るように税金が使われるのが大事です。
今一番興味がある分野です。
音楽は人間と人間の輪を広げ、コミュニケーションを繋ぐ、世界共通言語です。
江戸時代の日本は藩の垣根があり、言葉も様々だったので、それをまとめるものが必要だったのですが、唱歌がその役目を果たしたと思っています。
音楽はメロディ。
メロディに合わせて日本語を発することで、まとめられていったのだと思います。
音楽が人間の原始脳に入ることで、世界の小競り合いが減り平和がもたらされることを願っています。
――本日はありがとうございました!
インタビューの全容は、
前編「ピアノ業界を牽引する老舗企業の2代目は、絶えず変革を試みる」
中編「システム開発でピアノ業界を変革する」でご覧いただけます。
※資料はすべて福田氏より提供されたものです。