「学びたい」を無料サポート、子どもを伸ばす現代版寺子屋(後編)
- 2023/11/16
- インタビュー
目次
「大人の学び」を子どもに還す「循環型教育」を目指す
――お笑い芸人さんが教えてくれたら、勉強が楽しくなりそうです!活動は順調ですね。
前田氏――そうですね。NPO法人はどの団体も同じだと思いますが、資金繰りが大きな課題です。
法人化前は、クラウドファンディングでの資金調達や、ビジネスコンテストに応募して賞金を得るなどしていました。
今はカフェ営業で使用するエプロンに企業ロゴを付けて広告収入を得たり、支援企業さんを紹介していただいたりしています。
そういった経営課題の一助にもなるよう、学び直したいと考える大人を対象に毎月1,000円でオンライン講義を聞いたり、ワークショップを体験できる「大人のための学び場 LTC(ライフタイムカレッジ)」を開設したりしているところです。
生涯学習やリカレント教育、リスキリングといった言葉があふれていますが、大人が求める学びをサポートしつつ、その授業料をテラコヤカフェなどの活動資金に充てる「循環型教育」を展開していきます。
全国に学びの拠点を、そして海外進学サポートも
――「カフェ塾テラコヤ」は5年後、10年後にどのようになっているでしょう。
前田氏――5年くらいをめどに、全国47都道府県に拠点を作りたいです。
多摩センターや渋谷で試し始めていますが、テラコヤスタッフがいなくても、地域ごとに教える人と教わる子どもがいて、サポートしてくれる地元企業があるといった具合に、その場で完結できるようになるといいと考えています。
今は、外国人の子どもたちも結構集まってきます。
今後の日本は、外国人材に頼る場面も増えていくと想うので、仕事を求めて外国から来た方の子どもたちの学習も支援したいですね。
日本がこれからどうなっていくのか、ネガティブな目線で見ている子どもたちが多く、そんな中では、「夢を持て」と言われても夢なんて持てないですよ。
でも、これまでの活動で、「夢を持てるようになった」と言ってくれる生徒や、国際的な教育支援をめざして大学に合格した生徒もいます。
海外進学のオンラインサポートサービスを進めていく計画などがあり、現在実装するための調整を進めている段階です。
今の子どもたちは、海外とのやりとりが当たり前になる時代を生きていくことでしょう。
私たちの取組がその一歩の一助になればと願っています。
いま日本市場は縮小傾向にあるので、もっと海外に出て、海外のノウハウや考え方を知り、海外のマーケットで勝てる人材を育てていくことも、子どもたちの未来のために私ができる貢献だと思っています。
――ありがとうございます。こどもたちへの熱い志が伝わってきました。教育を軸にした輪がますます広がることを楽しみにしています。