社会課題を解決する新プロダクトの開発~スタートアップラボ
- 2024/11/13
- 事業投資
目次
完全自動復旧の“フリーズ対策システム”
バリューソリューション株式会社
川崎市に本社を設け、ポート監視による電子機器のフリーズ対策機器「NONフリーズ」の設計・製造・販売をしております。
ピングポート監視の電源制御に関する特許を取っており、今のところ世界で弊社だけが持っている技術です。
私は海外に進出したいと強く思っていますので、米国著作権の登録を著作物として完了し、パリ協定 の135か国に出しています。
弊社は、データ情報インフラの安定稼働を通じて豊かで安心な社会に貢献することをビジョンに掲げています。
ミッションは、人的保守の負担軽減と人的リソースの有効活用がメインです。
ストレスフリーの監視機器及びサービスの提供と、フリーズ対策マーケットのシェアトップを目指しています。
人的保守のコストを抑える
もともと、私はパイオニア出身で、クリエイティブワークス(当社取締役の経営企業)にて、パイオニア時代のサイネージ事業を引き継ぎ、加えて緊急地震速報付きのサイネージ導入提案を進めていった結果、全国100ヶ所以上のデジタルサイネージの配信業務を開始しました。
ドラマ「あまちゃん」で知られる岩手県の久慈駅に、緊急地震速報付きのデジタルサイネージを、震災1年後の2012年3月に設置したのですが、あるとき、そこがフリーズしたんです。
川崎から全国に設置してあるデジタルサイネージを監視しているんですが、久慈駅に不具合が見つかったので、川崎から片道7時間かけて行って、フリーズを発見。
対処は、プラグを抜いて刺し10分で終わりです。
ところが、帰ってこられないんですよ、もう電車がなくて。
結局、泊まることになって、人件費などを含めると20万円ぐらいの経費がかかったんです。
月々の受取額は1万5000円ですから、1年分の利益が消えました。
契約先の1番遠いところは石垣島ですから、片道7万5000円の経費がかかります。
このような状況で、この膨大な経費をどうにかしなければと試行錯誤しました。
調べたところ、フリーズを検知して復旧させる機器を販売する会社はいろいろあるんですが、私どものニーズに合っていなかったんです。
海外にもない。
仕方がないのでお手製で作ってしまおう!と始めたのがそもそも起業したきっかけです。
社会インフラを止めない!
銀行や情報通信会社など、いろんな情報通信トラブルを起こして社会的に大きな迷惑を生じさせていることもありますが、それらは、IoT機器がなんらかの不具合を起こしていることが原因です。
IoTティックをどうどうやって、ちゃんと動作させるかが今後の社会全体の大きな課題。
IoT器全体の不具合を100とすると、そのうちアプリケーションやOSなどがフリーズする確率は約90~95%を占めています。
これらの不具合を解消するには、電源を抜いてまた刺すだけなんですが、それが自動的にできれば 現地に行かなくていいわけです。
じゃあ、なぜフリーズするのか。
今よく言われるのが電波障害などの外部からのアタックや、電子レンジの横にWi-Fiルーターを置いておくと電磁波障害で止まってしまうような干渉です。
環境によって起こってしまうフリーズに関しては。メーカーもどうすることもできない。
そして、抜き差しするためだけに技術者を派遣し再起動させることは、人件費や交通費などの大きな損失を伴います。
大手家電メーカーがフリーズ対策の製品をつくらないのは、自社の機械がフリーズすることを積極的に認めることになるからです。
情報機器のフリーズ対策「NONフリーズ」
フリーズを検知して、自動的に再起動、復旧する世界初の弊社の製品「NONフリーズ」をご紹介します。
特徴の1番目は、確実にフリーズを検知できるという特許を取得していること。
2番目は、自動的に復旧が可能ですので、誰も行かなくていいということ。
管理コストの抑制や、復旧までの時間短縮など、リスクを最小限に抑えられる利点があります。
弊社は、独自のポートを採用しています。
pingは他社採用で、世界的に見ても現在はこれしかないのですが、これはwindowsが多少動いていると問題なしと感知してしまうため、デジタルサイネージで動く絵を出すようなプログラムの問題に対処できない。
ポートは、ほとんどのプログラムで使っているものなので、このポートを管理することによって、プログラムがちゃんと動いていることが検知できます。
この技術が弊社の特許です。
NONフリーズは、自分たちの端末がどうなっているかを一括管理したい顧客の要望に応えるため、クラウドでのサービスを展開しております。
過酷な温度でも動きますし、ポート監視ができてラウドサーバー管理なので、スマホで操作・管理ができるなどのメリットがあるので、今のところ、他社製品と比較しても上位の機能は出ていないだろうと思っています。
これは世界的に見ても同様です。
社会インフラとして実績を積む
「NONフリーズ」の導入実績は200社以上。
品質に非常にこだわっており、最も重視している点ですので、現在、6700~7000台ぐらいを出荷していますが、故障台数は0です。
導入事例として、東急電鉄350台の監視カメラがついている都心の駅で実証実験をさせていただいています。
これまで1か月間で1日7回ぐらいフリーズし、その際には全て手動で復旧させていましたが、NONフリーズの導入によって100%自動復旧できており、結果的に現在は、東急電鉄新線も含めて全線に入っています。
また、高速道路に1kmおきに設置することが義務づけられている非常電話をはじめ、通常の監視カメラや逆走の監視カメラ、気象関係のセンサー、首都高のETCなど にも入っています。
現場急行回数が85%以上、経費に関しても80%以上が削減できています。
IoTを止めない社会を目指し、サスティナブリッジというものを今商標登録中です。
これは実際、IoTメーカーやインフラ会社など、いろんな企業と連携し情報機器のフリーズ対策を万全なものとし止めない世界を実現するためのもので、サステナブリッジとして市場を創造していきたいと考えています。
人口減少社会の中で、機器停止のリスクが隠れた社会のアキレス腱となり、IoT機器で便利な社会を創るはずが、リスクが増大することにおなりかねません。
そんな社会にしないためにも、弊社は特許技術を活用しながら多くのパートナー企業様と共に、社会インフラの安定稼働を実現して参ります。
バリューソリューション代表、日野氏のインタビュー記事はこちらからご覧ください。
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