社会課題を解決する新プロダクトの開発~スタートアップラボ
- 2024/11/13
- 事業投資
目次
ビルオーナーと入居テナントが直接つながるプラットフォームサービス
株式会社 Lexi(レキシ)
弊社は、ビルオーナーと物件を借りたい企とを直接つなぐオフィス移転のサービス「COCOSY」を提供しています。
借りたい物件の希望条件を登録して掲載すれば、オーナーから直接オファが届く仕組みです。
オフィス移転の課題を解決
「LEXI」という社名は、オフィス移転の歴史を変え、30年ほど変わっていないこの業界を変革したいという決意を込めたものです。
僕は、元々大学卒業後に大手仲介会社で10年以上のキャリアを積み、 そこで独立するなどを経て現在のサービスを運営しております。
都心の誰もが知っているビル、例えばミッドタウン六本木で、今賃貸募集しているか、 いくらで募集しているかなどがわかる人は、多分あまりいらっしゃらないだろうと思います。
不動産業界のなかでも、特にオフィス移転の本質的な課題は、募集している物件情報が非開示なために、自分で物件を探すことができないことです。
逆にビルオーナー側も、未だに電話営業や飛び込み営業といった非効率な営業手法が主体なのが課題です。
不動産業界の人材不足
皆さんご存じの通り、20年後に日本の労働人口は現在の8割程度になると予想され、その影響を大きく受けるのが、不動産業界ではないかと僕は思います。
現況でも、不動産業界で働く人の6割以上が50歳以上、しかも9割以上の会社が10人以下の零細企業です。
今後、オーナー側は非効率な営業手法から抜け出せないまま、圧倒的なリソース不足に陥ることが見込まれます。
仲介会社による取引が未だ9割以上ですが、積極的に物件を提案してくれるわけではありません。
仲介会社は、できるだけ手間をかけずに売上げを上げたいので、 決めやすい物件は積極的に提案してくれますが、決まりにくい小規模な物件の提案や駐車場が何台かなどの物件の細かい調査等はしてくれません。
にもかかわらず、契約時の仲介手数料が高いうえ、決まりにくい物件の手数料を増額する動きも出てきています。
不動産オーナーと借り手双方にメリットのあるサービス「COCOSY」
弊社は、不動産仲介会社に提案されない、マッチングしにくいオフィス移転の課題を解決していきたいと考えています。
「COCOSY」は、随時物件情報が更新され、最新のデータベースから常にフレッシュな情報がPCで見られます。
物件探しを検討している企業は、データベースを頼りに理想の物件探しができます。
オーナーに直接問い合わせれば、より正確で詳細な情報が取得できて仲介手数料もかかりませんし、マップ検索もできるので、希望の地域から快適に探し出せます。
また、無料で自社の情報や移転先の希望条件を載せておくことができます。
オーナー側も、移転を検討している会社のデータベースがあれば、どんな会社が、何坪でいくらの、どういう物件を探しているかを見ることができるうえ、直接営業してより良い提案をし、商談する機会を増やせます。
アプローチも簡単ですので、リソースが少なくても営業活動ができるというメリットがあり、仲介会社に頼らずにすみます。
所有する物件情報や賃貸条件を「物件DB」「移転検討企業DB」にダイレクトに載せることができる「COCOSY」は、企業とオーナーを直接つなげマッチングすることが可能なサービスです。
世界一簡単にオフィス情報が検索できる新しい検索体験を
サービスインしてまだ2年の若い会社ですが、毎日1件以上のサービス利用者、登録者が増え、現在750社を超えています。
物件のデータベースは、国内最大手の仲介会社の1.5倍くらいの物件DBを保有しています。
SaaS+成約報酬モデルとして、ビルオーナーからだけ月額の利用料と契約報酬をいただき、契約時に内装会社を紹介し手数料をもらうというもの。
これまで2年間かけて物件のデータベースに1件1件賃貸条件を紐付けていくという地道な作業をして、ほぼ完了しました。
今後は、移転検討企業をどんどん集めるフェーズに入ります。
既に物件情報はマッチングし得る状態までデータを保有していますので、検討企業が増えれば増えるほど、そこに対してアプローチしたオーナーも増えていきますので、好循環が生まれていくんじゃないかと考えています。
3つのデータを取得しマッチング精度を高める
最終的に僕たちが目指すのは、世界一簡単に不動産物件が探せるUI/UXを作っていくことです。
実は、物件を探すためには物件情報だけでは足りないということがこの2年でわかって、条件の絞り込みのフェーズがすごく大事なんです。
比較検討できることが、物件探し、物件判断の1番の要因だと感じています。
ですから今後は、検索のデータ、物件の個別データ、相場のデータという3種のデータを集め、ユーザー自身が比較検討して決められるところまで持っていきたいと思っています。
検索のデータは、移転検討企業がどんな検索条件でどういう物件を探したかという情報をとログに取っておきます。
また、これまでのしっかり2年間収集していた物件の詳細データをさらに強化し、データ分析によるエリア情報の相場が取れるようになっています。
これらの3つの情報を組み合わせることで、 より良い検索体験が作れると思います。
企業の検索データと 物件の個別データを照合して、貴社にはこの物件が多分マッチングすると思いますよ!という提案をしていきたいですね。
その後もう1歩進んで、各相場データと物件の個別データを組み合わせて、この物件は相場の中で安めですとか、お得感がありますというような相対評価なども見せられるようにすることで、オフィス移転に慣れていない人でも、自分たちで物件を探して決められると思います。
最終的には自動マッチングまでやっていけるようなサービスを目指しています。
今後、労働人口が減っていくなかで、不動産業界は賃貸募集だけじゃなく不動産管理も大変になりますので、不動産の日常管理に関するビジネスへの参入も想定しています。
また、今既に出力しているデータの利活用として、移転検討企業のデータを内装会社や家具メーカーに共有するような情報の活用もできると思います。
先述の相場情報は、ビルオーナーにも提供することができるので、これまでのオフィス移転の概念を覆し、歴史を変える事業を勧めていきます。
▶次は、洗車のサブスクモデルを提供する株式会社京南です。