【書評】人の採用を成功させる!究極の質問で人材を見極める
- 2023/6/8
- 書評
「いい人材が欲しい!」「会社に変化をもたらすような優秀な人を採用したい」。そんな企業の悩みを解決してくれる1冊、タイラー・コーエン、ダニエル・グロス著『TALENT——「人材」を見極める科学的なアプローチ』をご紹介します。パーソナリティを引き出すシンプルな質問が未知の優秀さを明らかにする、という目からうろこの逸材発掘方法が満載です。企業支援のコンサルタントであり、ビジネス書籍の書評をブログにて発信されている徳本昌大さんがナビゲートしてくださいます。
TALENT——「人材」を見極める科学的なアプローチ
タイラー・コーエン、ダニエル・グロス著(クロスメディア・パブリッシング)
目次
本書の要約
採用面接に臨む候補者は、あらかじめ予想される質問への答えを用意していることがあるため、一般的な質問だけでは相手の本質を見極めるのが難しいことがあります。相手の真の能力や才能を発見するには、予期せぬ質問をすることが重要で、それに時間を使うべきです。
想定外の質問を投げかけてみる
どんなに突っ込んだ厳しい質問をしても、革新的な回答を返しつづけられたとしたら、その候補者は仕事に活用できる幅広い知識とエネルギーを持っている証拠だ。
応募者の本当の能力や才能を発見するには、相手が答えを準備していないだろう質問をすることが重要だと、本書では述べられています。
唐突に質問することは、創造力や問題解決能力、柔軟性などを評価するための有効な手段です。
具体的な経験や過去の成果に頼らず、候補者の思考プロセスや意見形成のスキルを探ることができます。
知的習慣、好奇心、余暇の活動への質問
本書では、ストーリーを引き出すだけでなく、比較的興味深い回答を得られる質問を紹介しています。
・「今朝は何をして過ごしましたか?」
・「これまで訪れた一番人里離れた場所はどこですか?」
・「どんなおかしなこと、または変わったことをしましたか?」
・「好きなプログ、オンライン・コミュニティの種類は?」
・「どんなマニアックなことをしていますか?」
即答させない、考えさせる
想定外の質問に対して、長い沈黙の後に関連性のない答えが返ってくることがあります。
これは、応募者が想定外の質問に考える時間が必要だと示していることで、実は素晴らしい兆候なのです。
リラックスできる環境が真の力を引き出す
長い沈黙が生じる場合、候補者には追加の説明や具体的な例を求め、どのような思考プロセスを経ているのかをより詳しく知るとよいでしょう。
また、緊張やプレッシャーが回答に影響しないように、候補者を急かさず自信を持って回答できるまでの時間を与え、リラックスして考えることができる適切な環境を提供することが重要です。
その結果、彼らの本当の能力や才能をより正確に見極めることができるでしょう。
重要なのは質問にどう答えたか
ほとんどの人は、言葉遣いが上品で雄弁な人々を高く評価しがちだ。このことを常に念頭に置いておくこと。でないと、口は達者だが実力のない人物を採用し、貴重な創造的才能のある人を見落としてしまうかもしれない。雄弁さを過大評価してはならない。それよりも、質問に対する回答の内容と質に注目することが大切です。
また、候補者の話をよく聞き、質問をかわそうとしたら、もう一度同じ質問をしましょう。
質問に答えて候補者がストーリーを語るのを聞くときは、以下の点に注目しましょう。
・独自の言い回しや表現を使っているか
・基本的な概念を他とは異なる方法で説明しているか
・発話の独特なリズムパターンやオリジナルの世界観で話しているか
▶想定外の質問への回答が真の能力を明らかにする。さらに個人の優秀さを掘り下げる質問群を次のページでお届けします!