事業投資とは?⑥中小企業に最適!ストックビジネスの始め方

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M&Aの現場において買手から評価が高い事業は「ストックビジネス」です。ストックビジネスとは、一度契約を結べば、売上が継続的に入ってくるビジネスのことで、スポーツクラブの会員モデル、フランチャイズのロイヤリティ収入、クラウドサービスの月額課金などが当てはまります。

ストックビジネスは、多くの経営者にとっても目指すべきモデルです。軌道に乗れば経営が安定し社長も時間を確保できることから、次のビジネス展開に余裕が生まれるでしょう。売却を考えるときにも、ある程度ストックがあるビジネスを欲しがる買手はたくさんいます。

では、どのようにすればストックビジネスを構築できるのでしょうか。数多くの事例がありますが、今回、事業投資シリーズの6回目として、中小企業が取り組みやすいものをいくつかご紹介します。

何かを誰かに貸してみる

究極のストックビジネスは不動産賃貸業と言われています。
ただし、国内では競争が激化しており、新規参入し収益を上げるのは難しくなってきています。
一方「動産」に目を向けると、対象物の多さに加え高収益を上げられるポテンシャルを秘めていることから、今注目を浴びてきている分野です。

また、税制優遇を受けられる事例も増えています。
代表的なものは車や事務機器のレンタルやリースです。
さらに、農機具やキャンプ道具のレンタルなど、必要な時だけ借りるというサービスは利回りも高いので、今後期待される分野。

そんなニッチな分野を探せば、思わぬ掘り出しものがあるかもしれません。

会員組織をつくってみる

会員から月会費を受け取りサービスを提供するビジネスなども典型的なストックビジネスです。
まずは、運営者として興味があり、かつ、長期にわたって継続できるものから始めるのがよいでしょう。

例えば、エニタイムフィットネスという24時間営業のジムが、2022年現在で国内1,000店舗を超え、会員数も50万人以上獲得しています。
市場が減速傾向にあるなか、一定時間を無人化するなど人件費を抑えてフランチャイズ展開しており、こういった優れた会員制ビジネスモデルに乗り、ストックビジネスを構築するのも一つの手です。

また、勉強会やセミナー開催も毎月継続すれば会員組織の一形態です。
たいていの場合、組織のなかに何かしらの相談やビジネスの種が持ち込まれ、ビジネスの輪が広がりが繋がっていきます。
このような人脈の蓄積もストックビジネスとして価値を持つものとなります。

誰かに何かを教える

教育分野でのストックビジネスでは、学習塾や英会話学校などが典型です。
不景気になると、親は子どもの未来を案じるようになり教育分野に資金が回るというのはよく言われます。
また、コロナ禍でオンライン学習も定着してきており、ローコストでの運営も可能となってきました。

社会人経験をある程度積んだ方であれば、何かひとつぐらいは人に教えられるものがあるのではないでしょうか。
それが、ストックビジネスとして成立する可能性があるのです。
自分にとってごく当たり前の知識やスキルが、教えてもらう側にとって価値のあるものとして思わぬ評価を受けることがあるからです。
例えば、シニア向けのパソコン・スマホ・タブレット教室などは、教える側の知識がさほどなくても成立する身近なビジネスです。

フランチャイズ本部をつくってしまう

本部構築というと、マクドナルドや、ケンタッキーなどの大手FCをイメージしがちなので、多くの中小企業には難しいと感じてしまうかもしれません。
日本フランチャイズチェーン協会(JFA)の調査によれば、国内におけるFC本部は1,300を超えています。
実際には把握されていない本部も多数あり、これ以上あるのは間違いありません。
そして、多くのFC本部は中小企業です。
店舗は数店舗、社員は数名という本部も珍しくありません。

これまで行ってきた既存ビジネスをFC展開できる事業は沢山あるはずです。
是非、自社のビジネスがFC展開できそうか考えてみて下さい。

ストックビジネスの注意点

とても人気があるストックビジネスですが、いくつかデメリットもあります。

まず、結果を出すまでに時間がかかり、すぐに儲かるビジネスではないということです。
会員がすぐに集まれば良いですが、通常は認知されるまで時間がかかり徐々に会員が増えていきます。

次に、先行投資が発生するということです。
賃貸型であっても、まずは貸すものを仕入なくてはいけません。
そして、それを中長期に渡り回収します。
要するに資金がある程度なければ、スタートできない事業が多いのが特徴です。

参入するメリットは大きい

このようなデメリットあるものの、安定収入があり、軌道にのれば経営者の時間をあまりかけなくても良いというストックビジネスのメリットは大きいと言えます。
また、M&Aを含め、事業承継しやすいのも特徴です。

ストックビジネスも世の中の流れとともに多様化しています。
多くの経営者にとって究極の課題である定期的安定収入が見込めるストックビジネスは、今後、さまざまな分野で注目され事業展開されていくことでしょう。
これから、ビジネスモデルを構築した際には、大きな達成感があるに違いありません。

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齋藤 由紀夫
株式会社つながりバンク 代表

投稿者プロフィール
株式会社つながりバンク 代表。
オリックス㈱に16年在籍後、2012年に独立。
スモールМ&Aの普及活動を中心に、事業再生・リノベーション等に注力。自らМ&A・事業投資も行い、数件エグジット済。
経営革新等支援機関(中小企業庁主管、認定支援機関)、事業引継ぎ支援センター 専門登録機関、日本経営士協会 経営士、日本外部承継診断協会 顧問。
趣味は焚火、居酒屋巡礼、トレイルランニング。

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