よそ者、若者が変えつつある日本酒業界~世界を見据えた挑戦者たち
- 2023/4/21
- 事業投資
日本酒ベンチャーの登場
㈱Forbulは創業2018年のベンチャー企業ですが、創業200年の酒蔵「はつもみぢ(山口県)」と提携し、2019年に「鷹の目(TAKANOME)」を世に送り出しました。
720㎖で1万5,000円を超える高級路線ですが、入手困難な銘酒としてのブランドを築きました。
発売は週1回オンライン販売のみ。
現在でも即日完売が続いているのは驚きです。
㈱Archisは「堀江酒場(山口県)」と提携し「夢雀(Mujaku)」を販売しています。
2016年のヴィンテージは何と!?1本60万円以上の価格で取引されています。
20代の若者が経営不振の酒蔵をM&A
2018年3月、新潟県佐渡市の天領盃酒造に24才の蔵元が誕生しました。
内部承継ではなく、自ら銀行借入をしてのM&Aです。
証券会社勤務の若者が、個人でM&Aをした稀なケースです。
同業者でも手を出さなかった酒蔵を譲受け、リスクを負って経営改革を行い、順調に事業拡大しています。
少数株主としての経営支援
酒蔵の事業承継・再生は、財務面の課題や、過去のしがらみが多く簡単ではありません。
コンサルティング料も取りにくく、時にはボランティアということもあります。
直近事例では、株式の一部を譲り受けて再生支援し2~3年かけて企業価値を上げるという案件をアレンジしました。
支援する側にスキルと余裕がなければできませんが、今後このような支援手法は増えると予測します。
注目すべきは、日本酒ベンチャー経営者、M&Aした経営者、経営支援者ともに、いずれもよそ者、若者です。
ここに馬鹿者と続くのでしょうが、ある意味当たっているかもしれません。
伝統ある酒蔵を守り日本酒造りを後世に伝えていきたいなど、それぞれが感じる何かしらの想いがあり、リスクを取って挑戦した方々ばかりです。
このような方々が一人でも増えることにより、この業界が独自の発展をすることを期待します。