【書評】失敗の法則を知り、「失敗の罠」から抜け出す

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順調な時こそ注意!時代の変化をキャッチし、対応する

状況がかわったときに頑固に、それまでの流儀を守り通す。そうしていれば、失敗する。

■コカ・コーラの場合
私が子供の頃のコカ・コーラは、ひと目でコカ・コーラとわかる190mlの「瓶」で販売されていました。
このブランドを象徴する瓶をトレードマークに大きなシェアをとっていたため、サイズ変更や他の容器の検討が遅れました。

そんな中、ライバルのペプシコーラ社は、量が倍の360ml入りの瓶を同じ価格で販売するキャンペーンをはり、売上を一気に2倍に増やしました。
コカ・コーラの売上はほぼ変わりませんでしたが、ペプシとの差が一気に縮まったことで、同社はようやく変化を受け入れることができたのです。

■IBMの場合
IBMも、マーケットが変化しパソコンがシェアを高める中、大型コンピュータにこだわったために存在感を失っていきました。
変化が激しい時代には、柔軟性をなくすことが経営のリスクになるのです。
固定観念に囚われ過ぎ、柔軟性をなくすことで、企業は衰退していきます。
順調にビジネスが推移している時にこそ、時代の変化に敏感になり、柔軟に対応すべきです。

リーダーは将来を恐れず、パッションを持って前へ!

失敗したいのであれば、将来を恐れるといい。成功したいのであれば、将来を楽観し熱意を持って将来に立ち向かうべき。

将来を慎重に警戒することと、将来を恐れることは異なります。
メディアは科学的なデータを使って将来への恐怖感を煽っていますが、それを鵜呑みにすることは危険です。
歴史を振り返れば、悲観論はいつの時代にもありましたが、その多くは実現しなかったのです。

将来に楽観的になり、新たな課題を定義し、イノベーションを起こすことで企業は成長できます。
リーダーは悲観論者になるのをやめ、将来を楽観し、パッションを持ってチームを率いるべきです。

「顧客が求めるもの」を考え、ファンを増やす

モノが売れない時代となり、顧客との感情的なつながりをつくることが、ますます重要になってきています。
売上と利益を伸ばすためには、LTV(Life Time Value)を高めることが欠かせなくなっているのです。
※「顧客生涯価値」を意味し、企業の長期的かつ継続的な利益を測るための指標のこと。

自分の会社に対して、顧客が何を求め、何を期待し、何を望んでいるのかをいつも忘れないようにする。

著者は自分が売っているものに愛情を注いできたと言います。
LTVを高めるために、自社を応援してくれるファンを増やし、彼らを味方にすることを日々考えるようにすべきです。

顧客がブランドを応援してくれるようブランドの価値を高めることが、経営者の大切な役割になっています。
強力なブランドがあれば既存顧客を維持し、新規顧客を獲得できるだけでなく、パートナーや投資家を惹きつけることができます。
経営者はブランドへの情熱を決して失わずに、常に顧客のことを考えるようにすべきです。

徳本氏の著書「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)

出典:ビジネスで失敗する人の10の法則(ドナルド R.キーオ)の書評
この記事は著者に一部加筆修正の了承を得た上で掲載しております。

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徳本昌大
Ewilジャパン取締役COO
みらいチャレンジ ファウンダー
iU 情報経営イノベーション専門職大学特任教授

投稿者プロフィール
複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。
現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動するなか、多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施中。
ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。
マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

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