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独立支援で事業譲渡を決意
さらに国の予算も審査内容が厳しくなり、当初は社会福祉税のうち整骨院の療養費請求が年間5000億円あったところ、近年では3000億円になっています。
ところが、接骨院の数は全国に5万7000件もあり、その数は増えていく一方ですので、今後の事業の成長要素も見込めないと感じるようになりました。
それなら別の事業を始めようと、当時の院長たちに資金調達させて独立を支援したのです。
当時経営していた全16店舗は今でも存続していて、院長からお中元が届いたり、連絡がきたりと交流が続いています。
今も売上を維持しているようで嬉しいですね。
人を採用する時代から育成する時代へ意識改革
――M&Aを活用したサラリーマンの起業は最近のトレンドですが、大坂さんは当時からそれを先取りしていたわけですか!
その後は、介護人材育成のための事業を展開されていらっしゃいますが、きっかけはどのようなことだったのですか。
大坂氏――労働集約型の事業は、人口減少社会ではなかなかしんどい。
有効求人倍率が高止まっている介護人材の採用にはエネルギーとコストがかかる。
このような苦労は、介護事業を経営する皆さんが経験しているでしょう。
それなら、その介護人材を育成する事業をしていこうと考えるに至りました。
具体的には、外国人技能実習生監理団体や登録支援機関、日本語学校をM&Aすることで経営権を承継し、外国人人材育成事業に必要な法人を設立していこうというものです。
外国人人材を育成
世界では、500万人もの若い人が日本語を学んでいて、コロナ前までは年間約7万人が日本語学校に留学しています。
この留学生達は私費留学ですから、経済的余裕のある家庭の子どもは来日できるわけですが、一方で貧困家庭の学生は、どんなに優秀でも日本に来られない場合が多いことになります。
このような境遇の学生たちにも来日する機会を与え、日本の介護業界で尽力してもらうにはどうすればよいかと思い巡らすようになり、ついに画期的な方法を考えるに至りました!
――大坂さんはどのような方法を考案されたのでしょうか?後編では、その具体的な方法とそれを実現し展開されるまでの経緯、そして今後の想いについて伺います。おたのしみに!