経営を楽しむためのエッセンスは経営理念の実装にあり

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経営者の喜びとは何か。
みなさんは、経営することを楽しめているでしょうか。

経営理念をベースに組織を育てることこそが経営の醍醐味だとお話しくださるのは、株式会社チームエル代表の堀越勝格さん。
それを裏付けるかのごとく、意思決定で理念を体現することが組織を強くすると体験談を交えて語ってくださるのは、同社IMC事業部取締役の岩根弘和さん。
そして、同社チーフコンサルタントの矢澤知哉さんは、若手社員の立場から経営理念の実践が働く側に与える影響力についてお話しくださいます。

まさしく「チームエルのチームづくり」には学ぶべき点が満載です。
企業を組成するさまざまな立場から、毎月1回シリーズで、経営と組織づくりについての考察をお届けします。

株式会社チームエル 代表取締役 堀越勝格

楽しむことこそが経営の醍醐味

経営を楽しんでいますか?

私たちは、経営コンサルタントという仕事柄、日ごろからたくさんの経営者にお会いしています。
そのなかには、いつも楽しそうにしている方もいれば、そうでない方も。

「苦しいことがはるかに多いよ・・・」
経営を楽しんでいますか?と質問するとよく返ってくる答えです。

そういう方に「なんでそんな思いをしてまで経営をしているのですか?」と聞くと、
「従業員を守るために・・・」
「お客様のために・・・」
「地域のために・・・」
といった言葉が返ってきます。
しかしこの言葉の行間には
「だから仕方なくやっている」
というニュアンスが含まれています。
これは寂しいことですよね。

経営は肉体的にも精神的にも激務です。
それを「仕方がなくやっている」では自分が可哀そう。

私はコンサルタントであると同時に、皆さまと同じ企業経営者でもあります。
何が楽しくて経営しているのか?
その答えの一つは、
「社員の皆と一緒に仕事をするのが楽しいから」です。
そして、
「社員の成長を見ること」
「社員がお客様に褒められるのを見ること」
「これに無上の喜びを感じること」
を知りました。

これを講演などでお話しすると、皆さん同じように強く共感してくれます。
「そーだよねー。それが経営の楽しみだよねー」と。

皆さまはいかがでしょうか?

さて、現実には、経営者の抱えている問題の多くも「人」に関するものです。
なかなか言うことを聞かない、
思うように動かない、
積極的でない、
元気がない、などなど・・・

いい組織とは、
社員自らが積極的に正しい行動をし、
達成感を実感しながら成果を出せる。
そして、
互いに強い信頼で結びついている、
そんな人材の集まりであること。
そんな組織なら、
社員の成長という前述の「経営者の喜び」を日々感じることができるでしょう。
そういう経営をしたいですよね。

経営理念が組織をまとめる

では、どうすればそのような組織になっていくのでしょうか。

その一つが、「経営理念」を作ることなのです。
経営理念とは、
経営者が絶対に譲れない信条、価値観、会社の存在目的などを明文化したものです。
そして、「経営理念」に共感した人材のみを採用し、
既存の社員にも理念に合った行動を求め続けること。

この「経営理念」をベースにした経営に変革していくことで、
組織は見違えるように強くなっていきます。
そのメカニズムと実例を、弊社のコンサルタントの実務体験を交えてご紹介していきたいと思います。

株式会社チームエル IMC事業部取締役 岩根弘和

理念を貫き組織を強化

弊社の実務体験として、今でも忘れられない事案があります。

10年超の取引を継続いただいているA社様から、組織力強化のコンサルティングをお受けした際のことです。
支援1年半を超えたタイミングで、品質不良が顕在化する問題が発生しました。
そこで、これまでの契約を解約し、今までお支払いいただいたコンサルティング費用、交通費なども「全額返金」したのです。

営利活動の一環として考えれば、そこまでしなくても良いのでは?と思う方もおられるかもしれません。
しかし、A社様にいただいた費用、そして関与する経営幹部の皆さまに投下いただいた時間に見合う成果を出せなかったことを、弊社の経営理念にある
「関わる全ての人々に対して誠実である」
「自分や関わる人々の姿勢が誠実か、常に問い続けよう」
に照らし合わせた結果、全額返金以外の選択肢はなかったのです。

もし、この理念がなかったら、費用返金という選択肢をとるには相当な困難が伴ったでしょう。
この事案で、改めて、誠実な対応とは何か?を考え、提供するサービスの品質基準を定め直し、全社員に経緯と意思決定の理由を共有することができました。

意思決定で理念を体現する

一つ一つの考え・行動が「経営理念に沿っているか?」を考え、意思決定し続けることこそが、理念浸透活動の本質です。

社員にとっても今回の厳しい意思決定は辛かったと思います。
しかし、経営理念に沿わない誠実ではない仕事はしない、受けないという会社としての意思を伝えることで、一つの考え方の枠組みが確立されていき、逆に仕事がやりやすくなるのです。

同時に、ただ理想を掲げるだけでなく、理念を体現する意思決定を本当に実行する会社であることを誇りに思ってくれました。

株式会社チームエル チーフコンサルタント 矢澤知哉

若手社員の視点から

若手と言われる世代の社員である私としては、言動が一致している会社や上司に対しては、信頼感が増します。
前述の事例はあくまでも一例ですが、この会社で良かったと強く思えた事案でした。

また、社長や上司が理念に沿った行動の模範を示すことで重要性が伝わり、自分自身も理念に沿う必要性を改めて感じたと共に、取るべき行動に対する理解が深まります。
当然「全額返金」がすべて良いわけではないのですが、弊社でいう「誠実」が意味するところの「私利私欲を交えずに大切にすること」とは何か、ということが良くわかったのです。

仮に、私が仕事に求めるものがお金や名誉であれば、今回の件について感じることは少なかったと思います。
お客様を騙したり、良いと思っていない商品を売ったりするのではなく、自分自身が誇れる仕事をしたいと思っているからこそ、この会社に合っていると思うと同時に、今回の件にも「誇り」を感じることができました。

経営理念と一致する仕事への“やりがい”

仕事にお金や名誉を求めることを否定しているわけではありません。
仕事に求めていることと会社の価値観や行動が一致しているかどうかが重要なのです。

会社の20代の社員の方々、いわゆる若手社員が仕事に何を求めているかご存知でしょうか?
ある人材会社のアンケートでは「やりがい」が1位を占めている、とのことでした。
もしかしたら、そのような若手社員が沢山いる、もしくは増えてくるかもしれません。

かくいう私も、そんな「やりがい」を仕事に求める若手社員の1人なので、仕事内容はもちろんですが、自分の価値観に合っている経営理念の会社で働けることでとても充実しています。
そして幸いなことに、弊社の理念通りに行動していると、周りの人に喜ばれることが多いのです。
喜んでいただけると嬉しいので、自然と理念に沿った行動が習慣になります。

弊社の評価制度は、理念を体現する人材に近づけば近づくほど評価されるように設計されているため、会社からの評価も高まります。
自分の思う通りに働くとお客様や会社の役に立てるのであれば、こんなに楽しい仕事はないでしょう。
仕事を楽しむ社員が集まれば、経営がとても楽しくなるのではないでしょうか。

堀越勝格
株式会社チームエル 代表取締役

投稿者プロフィール
自動車販売等の経験を経て2002年大手経営コンサルタント会社入社後、カーディーラー、自動車整備業、中古車販売店等、業界企業の経営から現場改善までありとあらゆるテーマの実践的なコンサルティングを展開。
2006年からはカーリンクチェーンのSV(店舗指導部隊)を率い、店舗だけでなく、チェーン全体の生産性改善に向けた戦略的指導をも推進する。
自動車販売の人材育成・営業力強化は勿論、経営戦略の策定支援、製販の組織連携強化、組織活性化、人事評価システムの構築等、多岐に亘るテーマのコンサルティングを行い、クライアントオーナーの信頼に応え続けている。

岩根弘和
株式会社チームエル IMC事業部 取締役

投稿者プロフィール
大手経営コンサルティング会社入社後、自動車販売店の現場でマネジメント業務を経験。
その後、自動車FCチェーン本部立上げ、コンサルティング実務、部門マネージャー、事業部長に就く。
現在、経営コンサルティング部門の取締役事業部長。

矢澤知哉
株式会社チームエル チーフコンサルタント

投稿者プロフィール
大学卒業後、カナダ留学。現地での経験や友人の力になりたいという想いからコンサルタントを志し2019年に入社。
自動車販売直営店での実習、加盟開発営業やSV支援・経営コンサルティングのアシスタントを経て、コンサルタントとなる。
経営理念や評価制度策定、労働環境改善、採用をテーマとした支援に取組み、現在チーフコンサルタント。

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