どんな人が好き?あなたの会社に合う人材の見つけ方
- 2022/3/23
- コラム
「チームエルのチームづくり」に学ぶコラムの第3回目。前回は、いい人材の見極め方をお伝えしましたが、今回は自社の理念に合致する人材をどのように発掘していけばよいのかについてお話くださいます。
企業と価値観の合う人材とのマッチング方法について、株式会社チームエルの代表 堀越勝格さん、同IMC事業部取締役 岩根弘和さん、チーフコンサルタント 矢澤知哉さんがそれぞれの立場から語ってくださっています。
目次
よい人材に出会うということ
さて、前回は価値観の合う人材を採用することがいい会社づくりの第一歩、というお話をさせていただきました。
とはいえ、売り手市場でなかなか採用自体がままならないこのご時世。
どうしたらそんな人材に出会うことができるのか?そんな声が聞こえてきそうです。
中身のわからないものに投資はしない
実際、私の支援先の企業様でも、「そもそも人が足りないから、どんな人材でもいいから採用したい」「はやく人数を補充したいので募集広告を打とうと思う」といった相談は数多くあります。このような声は皆さまの会社でもあるかもしれませんね。
しかし、こういう時こそいったん立ち止まり、考えを整理してみたいのです。
もし価値観が合わない人材を採用してしまったら、結局その人自身も、そして周りも、自分も苦しむことになるのは目に見えている。
例えば、
・自社はチームワークを重視しているのにその人物は個人プレーばかり
・自社は研修などの教育の場を重視しているのにその人物は拒否ばかり
などといった問題が頻発することもあるのです。
仕事は人生の大切な1ページとなるものですから、当人にとっても納得できない環境で働くことは決して幸せなことではありません。
さらには経営的視点からみても、社員1人を年間給与400万円で採用したとして、単純計算(昇給を考慮せず)すると10年で4,000万円、20年勤続すれば8,000万円の人件費がかかります。人を採用し雇用することは、それだけ大きな投資をすることなのだという見方もできるのです。
もし目の前に20年償却で8,000万円の投資物件があったとして、やはり「本当にいいのか?」といったん考えますよね。
求める人物像を明確に
人を1人採用するということはそのくらい重要な事案である、ということを常に経営者は忘れてはいけないのです。
だからこそ、価値観の合う人材を採用すること。そのためには、「そもそも、価値観が合うのはどのような人材か?」ということを明確にしておく必要があるのです。実際に我々も試行錯誤しながらこの課題に向き合ってきました。今回はそんなテーマでお届けしたいと思います。
企業と人を繋ぐ価値観の一致
私たちが採用に関するコンサルティングを実施するにあたって、最初にすることが「価値観の合う人材=理想の人材」の明確化です。
それは、価値観の合う人材からの応募を増やし、ミスマッチを防ぐためです。
価値観の合う人材(Aさん)を採用するには、Aさんが「応募したい!」と思えるような、「Aさんにとって」魅力的な会社であることをアピールする必要があります。
「Aさんにとって」魅力的である、というのが重要なのです。
例えば、高校でバトミントン全国大会に出ようと、本気で練習したい人がラケットを買う時は、スポーツショップに行き自分に合うものを吟味するはずですから、100円ショップのラケットを見に行くことはないでしょう。これは、100円ショップのラケットがダメだと言っているのではありません。子供との遊び用にバドミントンラケットが欲しい人にとっては100円ショップのラケットが最適なモノですが、目的が異なる人にとっては何の価値もないのです。
理想の人材は具体化しよう
それでは、実際の採用の場面ではどのように理想の人材を考えればよいのでしょうか。
難しい、と思われるかもしれませんが、意外と楽しく、簡単にできる方法があるのでご紹介します!
「どんな人と一緒に働きたいのか?どんな人に会社にいてほしいか?」を列挙する
経営者だけでなく、採用に関わる人全員で検討しましょう。
誰とでも仲良くなれる、向上心がある、忙しくても言い訳せず頑張る、パソコンスキルが高い、○○の資格を持っている・・など
理念に合っているか?を照合し、似た項目はまとめる
列挙した項目が理念や行動指針にあっているかを確認し、不足があれば追加し、理念にそぐわない内容はカットする。
その上で、例えば「誰とでも仲良くなれる」「コミュニケーションスキルが高い」は「対人コミュニケーション」にまとめる、というように、似た項目をまとめて絞り込んでいきます。
求める資質に優先順位を付ける
上記で検討した内容から、入社後に身に付けることができる項目(資格やスキルなど)は極力カットし、今、自社が求める人材の資質の項目について上位3つ程度に絞ります。
この手順で、ぜひ自社にとって理想の人物像を作ってみましょう。視覚的に明らかにすることで、採用活動だけでなく、社内の教育にも活用できます。
採用の場で企業の価値観を表明
明確なメッセージの発信
価値観の合う人材が明確になり、それが求人媒体でメッセージとして反映されることで、求職者としても自分に合いそうな会社かどうかを見極めることができます。
職種や地域などの条件面で候補を絞っていったなかで、同じような求人ばかり並んでいるのであれば、求職者としては賃金や休日数などでしか善し悪しの判断ができません。
良い会社に入りたいと思う求職者からすると、自分が求められているのではないかと思えるメッセージが記載された求人を見つけられれば、応募したい、入社したいという気持ちになります。
記載されたメッセージが鮮明であればあるほど、価値観が合うことがわかるので求職者の入社したい欲求は高まります。
例えば、サッカーが好きな人同士であれば話は合いますが、好きなチーム、好きな選手というように、好みの対象の範囲が狭まれば狭まるほど、好きな人同士の親近感は高まりますよね。
私自身、誠実という理念を大事にしていることや、成長できる環境があるというような弊社の価値観が自分に合うと思い応募し、実際に面接を通して社長や担当者とも一緒に仕事をしていきたいと思えました。
そして、その後の面接でも、理想の人材に合致しているか、求めている会社なのかをお互いにさらに見極められる場が設定されていたからこそ、リラックスして素の自分を出すことができ入社を決めることができました。
このような経緯があって採用されたのだという自負がありますので、今も自分に合っていると自信を持つことができています。
若手社員活躍の場を創出
前回お伝えさせていただいた通り、新人や若手社員が価値観の合う会社で働くことのメリットは、人間関係で不満を持つことがないことと、業務にストレスを感じることが少ないことです。
これにより、従業員満足は高まり成長スピードの向上を実現することができます。
入り口となる採用段階で自社が採用すべき人材はどんな人材なのか、理想の人材を明確にしていただくことで、若手社員が定着し活躍する会社創りをスタートさせてみてはいかがでしょうか。
「チームエルのチームづくり」コラムは以下からもご覧いただけます。
第1回目:経営を楽しむためのエッセンスは経営理念の実装にあり
第2回目:出会いから始まる未来~いい人材とは何か