事業投資とは?⑩事業投資は、失敗者に聞け!失敗の法則が成功を引き寄せる
- 2023/1/24
- 事業投資
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敗軍の将は兵(戦略)を語らず
惨敗したのであれば、後になって言い訳すべきではなく、現実を黙って受入れろというのが戦国時代の文化ですが、経営の世界でも同じ空気感が漂っています。
倒産した原因は、一般的に、販売不振・放漫経営・資金不足などに分類されますが、本質的な原因、きっかけは当事者でなければ分かりませんし、本音を語るメリットもありません。
失敗の本質的な原因は、ベールに包まれているのです。
失敗は資産の時代に!
日本の社会は長らく、失敗した経営者を犯罪者のように扱う暗黒の時代が続きました。
失敗を受け入れてきた欧米の文化とは大違いです。
故安倍晋三氏の功罪は色々と議論されていますが、後世において評価されるのは「再チャレンジ」を可能にする社会の実現に向けた政策のはずです。
再チャレンジの政策を掲げ、2006年~2017年の間、内閣の実力者を特命大臣に任命しました。
後に総理となる岸田氏や、官房長官となる加藤氏などです。
その流れが、今、議論されている個人連帯保証の解除や、スタートアップ支援につながっているのかもしれません。
とはいえ「人」の人生は意外と短い
何度も失敗して経験を積むのを否定はしませんが、人間には哺乳類としての寿命があります。
特に、経営者・事業投資家として旬な時期は、そう長くはありません。
まずは頭と体が健康であることが必要ですから、本来、人間が持つ寿命より短いのです。
当たり前のことながら、失敗は経験しない方が良いに決まっています。
失敗しないように何もしないという選択肢もありますが、死ぬ前に後悔することのトップは「チャレンジしなかったこと」だという調査結果があることを心に刻んでほしいのです。
失敗事例の分析が、事業投資のコアとなる
失敗した方へのインタビューは、正直楽しいものではありません。
私は一時期、事業再生コンサルタントして、資金繰りに苦しむ社長と日々会っていました。
感受性が高いのか、同化してしまうのか、支援するこちらの精神が疲弊してしまったことが思い出として残っています。
失敗の原因には具体性があり、成功よりも再現性が高いのは間違いありません。
そこには一定の法則があり、失敗しないためには、その特性を把握する必要があります。
人間の心理面や組織マネジメント等も大きく作用してくるでしょうし、行動経済学に近い分野かもしれません。
事業投資を推進する責務として、過去の事例分析やインタビューを通し、失敗が物語る成功要因というテーマには長期的に向き合っていくつもりです。
失敗をしない唯一の人とは、何もしない人である。
~セオドア・ルーズベルト (第26代アメリカ大統領/ノーベル平和賞)~
事業投資コラムは今回で最終回となります。
次回は業種別に、より情報を深堀りしてお届けします。お楽しみに。
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