小さい会社もいい会社だ~スモール・イズ・ビューティフル~
- 2021/8/30
- 経営全般
大企業の「スモール・イズ・ビューティフル」成功事例
ミスミという上場企業をご存じでしょうか。
社員数1万人を超える業績良好な大企業です。
現名誉会長である三枝匡氏が、社長就任時にスローガンに掲げて断行した組織改革がまさに「スモール・イズ・ビューティフル」と言えます。
三枝氏は元々、著名な企業再生コンサルタントです。
縦割りの弊害である「大企業病」を防ぐために、組織を数名~10名単位に分類し、各々が自分たちで考えて動く組織に改革しました。
独立採算管理を導入し、小ユニットの集合体をつくる考え方です。
名経営者として知られる京セラの稲盛氏が提唱する「アメーバ経営」もこれに近い考え方です。
組織は肥大化すると様々な問題が発生しますが、会社組織が人間の集合体である限り、いずれも避けて通れない課題です。
大企業においても、その解決策のひとつがスモール化だというのですから、興味深い事例です。
幸せなスモール企業になるためのヒント
日本の企業で、社員100人以上の会社数は1%程度2)です。
これが現実です。
しかしながら、多くの経営者は「規模の拡大」を目指し、そのギャップに苦しんでいます。
一旦、大きな組織にすることを諦めて、数名単位のスモールカンパニーを「複数」つくる発想をしては如何でしょうか。
それぞれの会社に責任者、社長を配置するやり方です。
この手法で、高収益の会社を運営している社長は数多くいます。
また、社長も社員もストレスが少なく、人生を楽しんでいる方々が多いように見えます。
事業が予想以上に軌道に乗った際は、組織を大きくするのも良いでしょう。
もしくは、伸ばすのが上手い方にバトンタッチする、会社ごと譲渡する、という選択肢もあります。
ベンチャーキャピタルや金融機関などの第三者からの要請や、見栄による規模拡大は、結果として不幸の入り口となることが多いため、立ち止まる勇気が必要です。
受け止め方次第で、コロナという危機は、会社経営、人生を見直すよいきっかけとなるに違いありません。
出典
1)平成24年 労働者健康状況調査 厚生労働省
2)平成28年 都道府県別従業者規模別企業数 男女平等参画局